恋してちょっと聞き分けのないなのはさん?みたいな何かですw
後ろから腕を回し、腰あたりで交差させる。
回した腕が思ったよりも余ったことに驚きつつも、すぐに胸の中で納得した。恋人の腰はとても華奢で、幼い頃抱きついてじゃれていた兄や、父とは違う形をしていることに今更ながら気づく。
腰まで伸びた髪も、滑らかな肌も柔らかな体も、恋人は全てが自分と同じ形をしていた。
ぴたりと体を寄せ、金色の髪に鼻先を埋めると自分と同じメーカーのコンディショナーに、けれど自分とはほんの少しだけ違う香りが混じる。それは恋人の自然な香りで、間近に、それこそこうして抱き締めなければわからない。
胸一杯に香りを吸い込みほんのりと混じった恋人の匂いに腕を強める。
なのはのそうした仕種に一瞬、恋人は体を硬くした。あからさまに匂いを嗅がれれば誰だって体が強張るだろう。けれど、もうお互いの体の隅々まで知りつくし、今更恥ずかしがることなんてないのに、と思いながら恋人のそんなところも可愛らしく、滑らかな首筋に鼻を押し当てた。
薄い皮膚を通してとくり、鼓動の音を聞くと心が安らぐ。人の温かな肌と心地よいリズムを感じながら瞳を閉じると、意識が後ろへ引っ張られる。この音を温もりが感じ取れる距離で聞いていたいのに、現実はそれを許さない。こうして恋人を抱き締めたことも別れを惜しむためだと思い出し、胸の奥に鈍い痛みが走った。
小さな吐息を漏らすと、それが恋人をくすぐったようで体を竦ませる。胸の痛みが蘇った後ではなんだかそれも寂しくて、甘えるように頬を当てた。
「なのは? そろそろ、行かなきゃ……」
「……うん」
恋人が別れを切り出し、それを承諾する言葉を紡いだにもかかわらず腰に回した腕は強まった。
「なのは?」
「……ん」
宥めるように、フェイトは腰に回った腕を撫でながらもう一度なのはの名前を呼ぶ。けれど返事はしたものの一向に腕を解く気配はない。かといってすがるように回された恋人の腕を振り払うほど、フェイトは職務に忠実ではなかった。しばらく無言で、なのはの腕を撫でる。
なのはは、出航の時間が迫っていることを知りながらそれでも自分に体を任せてくれるフェイトの優しさを感じ、胸の内で言い聞かせた。このままずっとこうしている訳にもいかないんだから、笑顔で無事に帰ってこれるように送り出そう、心がここに残らないように。
体を離すために腕を解く、時間にしたら一瞬の動作にもかかわらず腕はひどく重く、まるで強く引き合うもののように離れなかった。ただ、掴んだ腕を離すだけなのに、意識は離れなければと思っているのに抗いがたい強い力がなのはの腕を引き合わせた。
ほんの少し前までは、気をつけて、そう笑いながら送り出すことができたのにいつから自分はこんなにもわがままで分からず屋になってしまったのだろう。一人で家にいることが多かった幼い頃でも、今よりは聞き分けが良かった。
ほんの少し前と今と、何が変わったわけでもない。ただフェイトに向かう心が恋なんだと、フェイトも同じ想いなのだと知ってから、いや正確には想いに気づきお互いの温もりを知ってから、フェイトと時間的にも空間的にも離れることに言いようのない不安や寂しさを感じるようになった。
お互いの生活や何もかも今までと同じで、むしろ二人の絆は強まったはずなのになぜこんなにも心が乱れるのだろう。そう自問しながら、それが恋というものなのだと気づかずにいた。今もいけないと知りながら味わい続けるフェイトの温もりが甘く、離れるどころかさらに体を寄せた。
胸を突く激しい想いを必死に耐えながら、溜息に乗せて別れを言おうとそう思ったのに、確かにそう決めたのに執務官室に響いた自分の声に耳を疑った。
「――離れたく、ないよ」
か細く震える声が、その言葉がとても自分のものとは思えずに驚き腕を放してしまう。何を言っているのか理解できず、けれどこれ以上おかしなことを言わないようにと唇に手を当てた。
お互い管理局に所属し、仕事のことはよくわかっているつもりだった。危険な、重要な任務。その度合いも何もかもわかっていて、フェイトの身にも危険が及ぶかもしれない、そんな任務へ旅立つ時に言う言葉ではなかった。離れたくない、なんてそんな身勝手な言葉はフェイトの担当する事件も、その背後に存在する人たちもまるで無視したもので個人的な感情に過ぎない。自分はそんなことはないと、任務に個人的な感情を表すことがどんなにいけないことかわかりすぎるほどわかっていたのに。
「――ち、違うの! そうじゃなくて……ごめんね? 変なこと言って。もう、行かなくちゃいけないのに……わたし、わたし……」
言いながら、顔に熱が集まる。子供のように聞き分けのないわがままな感情をフェイトに見せてしまったことが恥ずかしかった。こんな聞き分けのないこと、子供でも言わない。お互い笑っていられることばかりじゃないからせめて、任務の妨げになるようなことは言いたくなかったのに。
驚きから離れてしまった温もりを、フェイトは振り返らなかった。もしかしたら呆れてしまったのかもしれない、そう思うと今度は体から熱が引き唇に手を当てながら俯いた。
「ごめんね。いって、らっしゃい――」
気持ちよく送り出すはずの言葉は掠れ、悲しげに後を引く。自らが招いた結果とはいえ、のし掛かる重苦しい空気に耐えられずフェイトの隣をすり抜けると早足でドアに向かった。後味の悪い別れ。こんなことをして心を残し、フェイトの任務の妨げになったら、と思うと居たたまれずドアのロックを解除するために手を伸ばした。
「――なのは」
少し低めの声は咎めるためのものだろうか、背後から掛けられた声に体を竦め動けなくなってしまう。
締め付けられる胸をなんとか耐えようと、胸の前で制服のジャケットを握り締め伸ばした指先が軽く震えた。けれどやってきたものは突き刺さるような言葉ではなく、突き放すような仕種でもなかった。フェイトはなのは
の指先をそっと握り、先ほどなのはがしていたように後ろから抱き締めた。なのはに重ねた手を胸の前に抱くと耳元で一つ吐息が漏れる。
「ごめんね、フェイトちゃんのこと引き留めるとかそんなんじゃなくて……気持ちよくお仕事に行ってほしいはずなのにおかしなこと言って、困らせちゃったよね? ごめんなさい」
フェイトの吐息を呆れたためだと思ったのか、腕の中身じろぎながら早口でそう言うと、ごめんなさい、その言葉が余計に寂しさを煽った。
「なのは、なのは……。私はうれしいよ、なのはがそう言ってくれるの。なのははあまり我が儘とか言わないから、私と離れたくないって言ってくれるのはすごくうれしいんだ。私もなのはと離れたくないって、毎日ずっと一緒にいたいって思ってるから」
「フェイトちゃん……」
「それに今だって、こうしてなのはと触れ合ってすごくどきどきしてる。さっきもなのはに抱き締められて、ずっと……なのは、なのはは?」
胸に当てられていたなのはの手の下に右手を潜り込ませ、鼓動を確かめる。なのはの鼓動はアップテンポ、フェイトと同じリズムで生を刻む。なのはの耳元ではにかんで、もう一度名前を呼ぶと吐息が耳をくすぐったようでなのはは体を竦めた。
「んっ……フェイトちゃん」
「なのは……なのはも同じだね? うれしい……」
胸に当てた手から伝わるなのはの鼓動は不規則に揺れ、制服を隔てて感じる体温は熱かった。なのははフェイトに寄りかかると首を巡らせ、上目遣いに紅い瞳を覗く。うっすらと色づいた頬を鮮やかな紅が彩っていた。はにかみながらもまっすぐに紅い瞳に見つめられ、胸の中心で波打つ鼓動が全身に広がり息づく響きに瞳を閉じる。ゆっくりと閉じられていく瞼を見ながらいつも交わす合図に、フェイトは唇を落とした。
なのはの蕩けるような唇を感じ、体が跳ねると胸に当てていた手が弾力のあるふくらみに触れる。意図したことでなくてもいきなりの刺激になのはから甘い声が漏れた。けれど決して抵抗を表すものではなく、唇から感じるお互いの熱が混ざり合い、もう出航の時間が差し迫っていることも忘れそうになった。
なのはの様子を伺うように手の平でふくらみを覆うと、いつもなら熱いくらいの体温と柔らかさを感じることができるのに、手の平には硬い繊維の感触。ジャケットとシャツの隙間から指先を滑り込ませると下着に隠されていない柔らかな感触が伝わった。それでもまだなのはとの間にある隔たりがもどかしく、スカートに入れられたアンダーの裾から手を入れるとようやく、温かな素肌を感じた。
「フェイトちゃん……もう時間だよ? っあ、遅れちゃうよ?」
「大丈夫。なのは……少しだけだから」
抱え込むようにして手をさらに上へと伸ばし、ブラの下から手を入れふくらみを軽く揉む。なのはのまだ少し硬さの残るふくらみの感触に短い吐息が漏れた。ゆっくりと、揉みほぐすように手を動かすとなのはの全身が震える。中指でまだ柔らかな突起を軽く押すと、鮮やかな刺激となってなのはを襲った。体が跳ね少しバランスを崩すと前のめりに執務官室のドアにもたれてしまった。
「んっあ……フェイトちゃ……」
フェイトの指から与えられる刺激を拒むことなく受け入れ、浅い吐息でドアが曇った。
なのはの胸の先端はまだ柔らかく、指先でそっと周囲をなぞる。硬くなくても感じる刺激は同じ、胸の突起から湧き上がった快感は全身を駆け背を反らせた。
「なのは、可愛い……。ここ、まだ硬くないなんてめずらしいね? いつもすぐ硬くしてるのに」
「やっ! いつもは、裸だからだよ……フェイトちゃ…んんっ」
外気に晒されたことによる身体的反射をからかわれ首を振るが、耳にほんのり食い込む歯の刺激はなのはから言葉を奪う。ぞくりと肌が粟立てば、胸の果実は硬さを増す。フェイトの指先に押し上げられ転がされるとすぐに存在を主張した。
「ふふ、硬くなったね?」
「あっやぁっ!」
そう言って確かめるように果実を摘むと先端からぴりりとした快感が下腹部に熱を持たせる。小刻みに体を震わせるなのはの反応はフェイトの体に快感を移し、なのはと同じ下腹部が鈍く痛んだ。フェイトの吐息も浅くなる。
転がされ、時折摘まれたかと思うと今度は先の方を擦られ、なのはは途切れることなく甘い声を漏らした。頬に当たる金属の扉が熱を奪い、一枚隔てた向こう側は管理局本局の廊下だというのにフェイトの指先が動くたびに声を堪えることはできなかった。
「あ……っフェイトちゃん……だめ、だめだよ」
自分の声が廊下に響いているかもしれないことを想像すると、何とか耐えようと唇を噛むがフェイトは体を離すことはせずさらになのはを抱くと、二人でひんやりとしたドアにもたれた。だめだと言うなのはの言葉を試すようにフェイトの指先が先端を摘み、軽く引く。
「んっんぁ……」
少し強い刺激が与えられ、触れられてもいないのに両足の間に熱が集まった。とろり、染み出した蜜が下着に吸われていく感覚さえも鮮明に感じ、我慢しようと膝の頭を合わせる。
「なのは、本当にだめ? 我慢しないで私に教えて? 私だってなのはに触れたいんだから……」
「っフェイト、ちゃん」
「嫌?」
「や、なんかじゃ……」
「じゃあ、いい? これでしばらくなのはに触れられないからなのはをたくさん感じたいんだ」
「うん、うん……わたしもフェイトちゃんのこと感じたいの……ふぁっ」
「可愛い、なのは」
蕩けるように微笑んで唇を合わせた。きつく触れ合わせ、蕩けそうな感触を味わうとうっすら開いた唇の間から舌を滑り込ませなのはの腔内を探る。熱く柔らかな舌は唾液で滑り、ざらざらとした感触がぞくりとした感覚を呼び起こすと何度も擦り合わせた。口の中でぬるりとした舌を吸うとなのはの苦しげな喘ぎが聞こえ、その声さえも心地いい。
覚えたばかりの愛を表す口づけは、体の奥に熱を点しさらに奥まで舌を差し込んだ。うっすらと瞳を開けなのはを伺うと苦しげに眉をひそめ、それでも頬を染めてフェイトの舌を感じていた。左手もアンダーの下から這い上がり両手で小振りなふくらみの先端を軽く摘む。
「んぅ……」
突き抜けるような快感がまた、なのはから蜜のように蕩ける声を引き出しさらに苦しげに眉がひそめられた。けれど染まった頬はそのままで腔内のフェイトの舌に縋るように擦りつける。
そんななのはの様子に密やかに微笑んで、唇を触れ合わせたまま二、三度指の中の蕾を軽く引くとなのはの体が跳ね酸素を求めて顔を逸らした。
「ん……はぁっフェイトちゃ……っ!あ、あ……」
「もう、すごく硬いね。なのは……」
強い刺激から一転、今度は優しく撫でるように転がされ、淡い桃色のさざ波が体中を浸食し額を硬い扉に押しつける。硬く跳ね返す扉が、内で渦巻くどうしようもない熱を奪いそれがなのはの感覚をより鮮明にした。フェイトの右手が青いタイトミニを捲ると、ショーツに覆われていない臀部に触れる外気が冷たい。フェイトの温かな手に触れられ、肌が粟立った。
ゆっくりと、なのはの肌の感触を確かめるように触れられ桃色のショーツの内側が収縮する。ベッドの中でないのに白昼スカートを捲られ、おそらく蜜を含み色の濃くなっているだろうショーツを見られていると思うときつく瞳を閉じ羞恥に耐えた。
「なのは、熱い……」
何の前触れもなく桃色のショーツの中心を押され、息を呑む。フェイトの中指が一本添えられ白い双丘の間を押しつけるように擦ると、指先が敏感な蕾を突いた。
「んぁ……ふ、ぅ……」
甘い波がなのはを飲み込み、指から逃げようとする反射から腰を引くとそれを追ってフェイトの体が密着し、なのはの体は扉に押しつけられてしまう。寄り添ったフェイトの重みを感じ、耳元に熱い吐息がかかると下腹部の奥が痺れた。フェイトは人差し指をショーツに掛け太腿の中程まで引き下ろし、閉じられた花びらを中指を差し込み、散らした。
フェイトの指と熱が冷めていく感覚から、秘められた部分がぱっくりと開かれてしまったことを知り何も入り込んでいないにもかかわらずきゅっと入り口を締める。フェイトの指は蜜を絡め一度往復すると、その手をなのはの腰を抱えるように前方に回し、尖りきった蕾に触れた。
「あっ……あぁ――」
望んでいた蕩けるほどの甘い感覚に、声を抑えることができず体を震わせる。フェイトの指先が先端をくるくると撫でると、簡単にフードが捲れてしまう。まだ刺激が強いだろうからフードの上から揉みほぐした。甘い感覚が絶えずなのはの吐息を乱すけれど、本当に敏感な部分と薄皮一枚隔てた刺激はもどかしく、熱の移った扉に額を当てていやだ、と首を振った。
「や…っフェイトちゃん……」
「なのは? いや? 気持ちよくない?」
「っじゃなくて……っんあ……」
「どうしてほしい? なのは?」
「て……もっと、して」
「……こう?」
一度指先を泉に浸し撫で上げる時に剥いたフードをさらに押し上げ、顔を出した敏感な突起を押し潰す。先端からフラッシュがたかれたような鮮やかな快感が体中を満たし、すぐに終わりが見えてくる。なのはの吐息が乱れるとフェイトの指の動きが速まった。
その時、廊下からがやがやと人の話し声と三、四人の足音が響く。
思わずなのはは口に手を当て、吐息を呑んだ。下腹部からはまだ甘い刺激が絶えず送られ甘い声は指の隙間から漏れる吐息に溶けた。急速に体から熱が引いていく。
廊下を歩く局員が何を話しているのかは聞き取れなかったが、男女数人の談笑する声ははっきりと室内に響く。このままなのはが声を漏らせば、扉を一枚隔てた向こう側に何をしているのか知られてしまう。ここはフェイトの執務官室。若手の将来有望な執務官に下世話な噂話が纏わり付くことは避けなければ、そう思った。フェイトも息を潜め、廊下の様子を伺っている。
下腹部が甘く痺れる中、息を整えようと肺に深く酸素を取り込んだ。このままこうして静かにしていればすぐに通り過ぎてくれると、それまでの辛抱だとそう思った。けれどそんななのはを余所に、紅く色づいた蕾に添えられた指はゆっくりと円を描き始める。不意に湧き上がった快感に体を竦め、なのはは寸での所で声を堪えた。
「っ……ふぁ……」
廊下を歩む数人の男女の声は先ほどよりも大きくなり、執務官室の前を通過するのは確実だ。何とか声を飲み込もうとしても、湧き上がる快感にどうしても小さな悲鳴が漏れてしまう。せめて、指の動きを止めてもらおうとフェイトを振り返ろうとしたところ、フェイトの指が突起から離れた。安堵の溜息を漏らしドアに体を預けた瞬間、きれいに揃えられた指が二本なのはの入り口に宛がわれた。こんな状況なのに、フェイトの硬い爪が押し付けられると期待に背が反りぞくぞくと快感が駆ける。
「あ……だめ、だめなのフェイトちゃん……そんなことしたら声、我慢できな……」
「我慢、しなくていいよ? なのは、気持ちよくなって?」
「だってそんなことしたら、外の人たちにきこえちゃ……っ!」
声を押し殺しながらの会話でも、フェイトは何事もなかったかのように柔らかな声でゆっくりと指を進める。進入を拒もうとそこを締めても、細いフェイトの指は第一関節までつるりと入り込んでしまった。必死に喘ぎを耐えようと手を口に当てると、フェイトのもう片方の手がなのはの両手をまとめ扉に押しつける。これでは声を耐えることなどできないのに、フェイトの意図を計りかねてこれから自分が晒してしまうであろう羞恥を想像し俯いた。
「なのは、もう少し足開ける?」
「だって、だって今したら……」
「大丈夫だから、なのは? 足開かなきゃ奥まで入らないよ?」
「っん……」
フェイトが指先で入り口を掻き混ぜると、そこからピンク色の光が弾け何も考えられなくなる。ドアに手を押し付けられ、フェイトの指を迎えるために足を開く。ここは時空管理局本局の執務官室で、今にも同僚の局員が目と鼻の先の廊下を通過するというのに、ドアを一枚隔てた内側では恋人と言葉にできない行為に耽っている。そう思うと下腹部が痺れ、フェイトの言う通り両足をそっと開いた。
ショーツが太腿の中程で留まっているため、大きくは開くことができなくても軽く突き出した臀部の奥が光に晒される。薄い桃色をした無垢な入り口に自らの指が二本入り込んでいる光景にフェイトも息を呑んだ。自分がそうされているわけではないのに、下腹部が甘く痺れ身につけている黒いショーツに染みを作った。
廊下を歩む足音が聞こえる。もう、すぐそこに局員が来ていることは明らかだった。
ショーツが伸び切りなのはの両足がぎりぎりまで開かれたのを確認すると、入り口に浅く入れていた指を奥深くまで押しつけるようにして、侵入させた。
「やっ……ふぁ、あぁぁぁあぁ――」
なのはのか細い悲鳴と、ドアの向こう側のざわめきが混ざる。
羞恥と、柔らかな壁を突かれる快感に頭が真っ白になりきつくフェイトの指を締め付けた。
最奥で硬い入り口をひと撫でした後、軽く指を曲げ引っ掻くようにしてなのはの中から指を抜いていく。フェイトの指先がちょうどざらりとした壁の窪んだ部分に引っかかり、頭の片隅でいけないと思いながらもひっきりなしに声を上げた。
「あ…やっん、あっあぁあぁぁ……」
なのはの感じる部分を押しつけるように小刻みに出し入れすると、熱い固まりが湧き上がり下腹部をどろどろに溶かしていく。萎えることのない指先を締め付けながら、足音の刻むリズムとなのはの荒い吐息が重なった。今、正にドアの向こう側を顔も知らない同僚が通過しているのに、フェイトがなのはの両手を解放すると先ほどまでいじっていた突起に指を当てる。
「なのは、もう時間ないから……いこう?」
そう言って壁に掛けられた時計を確認し、ほんのり小さくなった突起を強引に剥き、指先をきつく押し当てた。「あっ……ってだめ、だめ……あぁ、ふ、やぁあぁぁぁ!!」
下腹部の奥が蕩けるような快感を味わいながら、そこに焼き付けられるような快感が二重奏を奏で声を耐えることもできずになのははあっけなく絶頂を迎えた。
断続的な痙攣でフェイトの指を締め付け、甘い波が引いていくのとドアの向こう側の楽しそうなざわめきが引いていくのはほぼ同時だった。
「なのはの中、すごく狭い……。声、聞こえちゃったかな?」
ひくりと締め付けるなのはを楽しみながら中をひと撫ですると、刺激とその言葉になのはの体がぴくりと跳ねる。
「フェ……イトちゃ、どうしよう、聞こえちゃったらフェイトちゃんに迷惑かかっちゃうよ……っえ……」
羞恥と罪悪感に苛まれ涙声のなのはに鼓動が跳ね、中に埋めていた指を引き抜くと後ろから抱き締めた。
「大丈夫。なのは、大丈夫だから……」
「って、勤務時間中なのに……こんなの、下手したら問責の対象になっちゃうのに……我慢できなくて――」
「え……っと、なのは? 本当に大丈夫なんだよ? あの、なのは……知らなかった?」
「え……?」
透明な水面を湛えたなのはが振り返ると、フェイトは紅い瞳を細め困ったように微笑んだ。
「あの、執務官って重要な機密が含まれた事件を担当することが多いから、その任務の特殊性質上、執務官室は室内の音が外に漏れない設計なんだ」
なのはに言ってなかった?と言葉を続けながら、目の前の恋人の顔が羞恥から驚きへ、驚きから――ほんの少し腹立ちを含んだ安堵へ表情が変わるのを見るとフェイトの眉が申し訳なさから少し下がる。
「――それ、ほんと?」
「本当だよ? だからなのは、気にしないで?」
「だって、フェイトちゃんそんなこと全然言ってくれないから……すごく、恥ずかしかったんだよ?」
「ごめん、なのは知ってると思ったから――」
「フェイトちゃん、いじわるだよ……」
「ごめん、なのは。機嫌悪くなっちゃった?」
「……もう、知らない。わたし教導に遅れちゃうから、行くね」
「なのは、怒らないで? 笑顔で見送ってほしいよ」
制服の乱れを荒い手つきで直すなのはに向き合うとそっと手を取った。目の前で悲しげに細められる紅い瞳を見ると胸の奥がざわめく。フェイトと仲違いをしたまま長い時を過ごすのは、きっと空に上がっても想いに囚われてしまう。
一つ息を吐き、フェイトに取られた手を引き寄せると背中に硬いドアを感じながら華奢な腰を抱いた。黒いストッキングで覆われた両足の間に白で彩られたオーバーニーを侵入させ、軽く触れ合うだけの口付けをする。膝頭でゆっくりと熱の篭もったスカートの中をなぞると、フェイトの体が震えた。
「な、なのは……んっ」
「フェイトちゃんが帰ってきたら、おんなじこと、してもいい?」
一瞬言葉に詰まったフェイトが、けれど頬を染め頷くとお互いを確かめ合うように腰に腕を回し唇をきつく押し付ける。蕩けるような唇を感じながら、頭の片隅で出航の呼び出しを告げるビープ音を聞いた。