「おかえり、なのは」
一日の疲れを労う優しい微笑みが向けられるが、なのはは目を開いてその場に佇んでしまった。
「なのは?」
首を傾げ、歩むことを止めてしまったなのはを不思議そうに見つめる、フェイト。
その姿はいつも見慣れているフェイトであって、フェイトではなかった。いや、フェイトであることに間違いはないし、どう考えても誰に聞いてもその答えに変わりはない。けれど、もう10年以上生活を共にしている親友の初めて見る姿になのはは驚きを隠せなかった。
「どうしたの?なのは?」
ドアを開けたきりちっとも動かないなのはを不審に思ったフェイトがソファからなのはの顔を覗き込む。
けれどぽかんと口を開けてまじまじとフェイトを見つめ続けるなのはから返事は返って来なかったため、手元の新聞を畳んで腰を上げた。
瞬間、なのはが驚いたように体を竦ませると慌ててフェイトから視線を逸らす。
「ふぇ、フェイトちゃんって目、悪かったの?」
少しだけ頬を染めたなのはが息を吐いてゆっくりと視線をフェイトに戻すと、フェイトははにかんで眼鏡のフレームに手をやった。
「そんなに悪くはないみたいなんだけど、最近ぼやけて見える気がしたからシャーリーにいい眼鏡屋さんを教えてもらって寄ってみたんだ」
変、かな?と問いかけると慌ててなのはが首を振った。
「ううん、ちっとも変じゃないよ?なんだか、執務官、って感じで…かっこいいかな」
「ありがとう、なのは。なのはにそう言ってもらえるとすごくうれしいよ」
なのはに誉められたことがうれしくて、眼鏡を掛けたフェイトがいつもより凛々しく見えて、二人ともほんのりと頬を染めると微笑み合う。
実際フェイトの掛けている眼鏡は、フェイトの小さな顔に合うように細いフレームでレンズもそれほど大きくはない。それが元々の綺麗な顔立ちを一層際立たせ、シルバーのフレームが知的さと冷静さを加えていた。紅い瞳に銀色の光が反射し、見つめられるとなのはの鼓動が早まっていく。
「あ、それでなのはにお土産があるんだ」
「お土産?」
ふと気づいたように仕事用の鞄の中に手を入れ何か探す様子のフェイトに近寄ると、なのはもフェイトの手元を覗き込んだ。
「あった」
うれしそうなフェイトの声と同時に鞄から桃色の包み紙が姿を現す。にこりと微笑んでなのはに箱のようなものを手渡すと、開けてみて、と促した。
赤いリボンを解いて包み紙をそっと剥がすと白いケースが見え、手を添えてそっと開けると桃色のフレームで彩られた眼鏡が一つ。
「わぁ……!可愛い」
「自分の眼鏡買おうと思ってたんだけど、色々見てたらなのはに似合いそうなのを見つけたから……」
「あ、でもわたし目は悪くないよ?」
「うん、だからレンズに度は入ってないんだ」
「そうなんだ……ありがとう、フェイトちゃん」
うれしそうにフェイトを見つめるとケースをテーブルに置き、ソファに腰を降ろすと早速掛けてみる。
まだ少し固い柄がなんだかうれしくてそっと開いて顔に掛けると耳の後ろに吸い付くような感覚が不思議で、いつもより世界がはっきりと見えるような気がした。
「どう、かな?」
自分では掛けている姿が見えないため、フェイトの紅い瞳を覗きこんで尋ねるとうれしそうに目を細めるフェイト。
「すごく可愛いよ、なのは。ふふ、なんだかなのはも教官、って感じがするね?」
「にゃはは。そう?」
「うん。先生みたい」
フェイトがそう言うと、得意げに少し胸を張りフレームを上下する仕種が愛らしい。
「ふふ、なのはってば」
フェイトが口元に手を当てて微笑むと、なのはもくすくすと笑った。
「でも、フェイトちゃんもその眼鏡すごくよく似合うよ?……格好、いいかも」
「いつもと同じじゃないかな?」
「ううん。そんなこと、ないよ。なんだかちょっとどきどきするね……」
上目遣いで自分を見つめるなのはが可愛らしくて、腰に手を回して抱き寄せるとそっと顔を落として行く。
「なのは……」
白色の光を遮って落ちてくる影に期待してゆっくりと瞳を閉じる。
頬でフェイトの体温を感じられる距離まで来ると、あと少しだと胸が高まった。
かちり。
けれど無機質な音と共に眼鏡が揺れる、小さな衝撃が頬に伝わる。まだ唇は触れ合っていない。
驚いて目を開けると、同じように目を丸くしたフェイトと視線がぶつかった。
初めて口付けを交わした時のような不器用さに思わず笑みが零れると二人をくすぐったい空気が包み込み、くすくすと笑い合った。
一通り微笑みを交わしもう一度目が合うと銀色の光の中紅い瞳が細まり、フェイトの両手がなのはの眼鏡に添えられる。
すっと、顔から眼鏡を抜き取られるとガラス越しの透明な世界が、鮮明になった。
唇だけがゆっくりと動いて名前を呼ばれると、抱かれた腰が強く引き寄せられて唇に蕩けてしまいそうな感触。
ゆっくりと瞳を閉じるとフェイトの舌が唇をなぞり、それに応えるようになのはが唇をほんの少し開くとつるり、フェイトの舌が入ってきた。
「ん……」
優しくなのはを絡めとりさらに深くまで侵入させると、ひやり、なのはの頬にフェイトの眼鏡が当たる。
その冷たさに驚いて思わず体を離してしまった。
「ごめんなのは。冷たかった?」
「ううん、ちょっと驚いただけだから」
大丈夫だよ、そう続けると眼鏡を外そうと掛けたフェイトの手をきゅっと握る。
「なのは?っうん……」
一枚隔てた紅い瞳が問いかけたけれど答えず、頬に当たるひんやりとした温度を感じながら温かなフェイトの唇に噛み付くようにキスをした。
そのままソファに倒れると、フェイトの指先がリボンタイの結び目を解く。同時に左手がアンダーシャツを抜け、直接背中を撫でられるとなのはから甘い溜息が漏れた。
「んっ、フェイト、ちゃ…ん」
「なのは、もう熱いね……。眼鏡効果、かな?」
ガラス越しの紅い瞳が微笑むとたまらず、フェイトの首筋に顔を埋める。
「なんか今日のフェイトちゃん、やらしいの……」
「そうかな?いつも通りだよ、なのは」
耳元で囁かれ、なのはの頬にまたひやりと眼鏡が当たる。その冷たさはなのはの熱を奪うどころか、さらに煽った。
フェイトの指先がリボンタイを抜き取るとタイトミニに入り込み、ライムグリーンの布地を軽く押す。
「っあ…フェイトちゃ……」
びくりと大きく体が跳ねると、布地を優しく上下に撫でた。甘い吐息が漏れ思わずフェイトの瞳を覗き込むと眼鏡のせいか、いつもより冷静なフェイトと目が合う。フェイトの瞳との間には冷やりと煌くガラスと冷静さを加える銀色のフレーム。
奥にある紅い瞳はいつもと同じゆったりとした微笑を浮かべなのはを見つめているはずなのに、透明な隔たりがフェイトの笑みをとても冷静なものにした。
そんなもの、ただの勘違いでフェイトはフェイトであるはずなのに眼鏡一つで、まるで犯罪者の保身を暴くような、冷ややかな光を宿しているように思える。
絶えず刺激される下腹部からむずむずとした疼きが湧き上がり、堪えようと体を竦める。執務官としてのフェイトであってもそれほど冷ややかな瞳を向けるはずはないのに、なのはの昂ぶりを咎めるような紅い瞳が菫色と交錯した。瞬間、羞恥が体を駆ける。
「んぅ……っ」
「なのは?どうしたの?」
頬を染め瞳を逸らし、荒い吐息をつくなのはに首を傾げながら、それでも手は休まずにライムグリーンをほんのり押し上げる突起に指を押し付ける。
「や……っフェイトちゃん!」
別に昂ぶりを咎めているわけではない、そうわかっていてもフェイトの指の動きに興奮している自分がいけないことをしているようで、静かな紅い瞳の前に体を震わせた。
「なのは?気持ちよくなってきちゃった?もう、ショーツ履けないね」
フェイトが青いタイトミニをそっと覗くと中に潜むライムグリーンのショーツは、染み出した蜜で色を変えていた。
膨らんだ蕾から、色の濃くなった部分に指先が移り軽く押すと、ショーツ越しにほんの少し入り込んでしまったフェイトの指先を感じ、締め付ける。
「んぁ……っ」
「なのは……、このままでも入っちゃいそうだね」
そう言って力を込めて指を押し付け、第一関節ほどまでフェイトの指は埋まった。
いつもと違い、奥まで入り込むことのない指先に焦れながらなのはがフェイトを締め付けるとそれに応えるようにフェイトが何度か指で突く。なのはの下腹部に甘い痺れが広がった。
「や……フェイトちゃ……っ」
じれったくて首を振ると、また落ち着いた紅い瞳と目が合う。
こうして触れ合っているのに、高まっているのは自分だけだと感じ体が強張った。体に力が篭れば中にいるフェイトの指を締め付けることになり、また自分だけが快感に震える。
「いや?でも、入れてるのは少しだけなのにさっきからなのはのここ、ぴくんって動いてるよ?――あ、そうだよね。いきなり下ばっかり触ったら寂しいよね……」
フェイトはゆっくりと指を離し、荒い息を吐くなのはに体を寄せるとそっと唇を塞いだ。
「ん……ん、ふ……」
柔らかく、けれど深い口付け。入り込むフェイトの舌が熱くて、その熱を感じると体が跳ねた。触れ合った温度が教えてくれる、フェイトもなのはと同じように高まっているのだと。
フェイトの舌に絡め取られながら、そっと様子を窺うように瞳を開くと偶然だろうか紅い瞳と視線がぶつかり、驚いたように紅い瞳が丸くなった。けれどすぐに瞳は細まりゆっくりと閉じる。
まるでいたずらがばれた子供のように鼓動が波打ち、なのはは固く瞳を閉じた。
口付けを交わしている時にこっそりと相手の無防備な表情を窺うのはある種、ルール違反かもしれない。愛しい人と口付けを交わしていれば、その温もりや柔らかさが体を蕩けさせきっと誰もが無防備になる。一身に相手のことを思い、恋を誓う行為の最中には他のことに気を取られる余裕はないはずだから。
けれど、フェイトも瞳を開けていた。お互いさまで、笑い合えるはずなのになぜかなのはの胸に広がる罪悪感。フェイトを冷たく彩った隔たりが、普段なのはの知らない執務官としてのフェイトの顔を際立たせるからだろうか。ただ、今日のフェイトは眼鏡を掛けている、それだけなのになのはを見つめる紅い瞳はひんやりとし、高まる自分を咎めるかのような冷静な瞳が向けられる。口付けの最中にフェイトの表情を窺った行為も、不正を明らかにされた罪人のような贖罪を掻きたてられた。感じる温もりは、変わらないのに。
「なのは?キスしてる時に目を開けるのはずるいよ?」
子供の微笑ましいいたずらを叱る母のように、フェイトの言葉には温かな笑いが込められているのになのはは笑い返すことができない。
「っめんなさ……」
謝罪の言葉を一度でも口にすれば、それは非を認めたことになる。贖罪の吐息を漏らし、フェイトの手によってゆっくりと捲られていく黒いアンダー。なのはは白い光の下暴かれた双峰に体を竦めた。
あの静かな紅い瞳が、体を寄せ合う温もりと興奮を宿すことなく露になった膨らみを見つめていると思うと、とろりと蜜が湧く。あくまで冷静な、高まりを一つ一つ確認されているような視線に溜息が漏れた。
静かなフェイトの視線を感じるだけで、勝手に体が震え下腹部が蕩けていく。
「いけないね、なのは」
キスの最中に目を開けていたこと?それとも、フェイトの視線を意識して勝手に高まっていること?あるいは、その両方。たわいない冗談一つでも、優しい手が体を撫でた時のように肌を粟立たせた。
「ふ……んっ」
フェイトの唇はふくらみの下側を跡が残らない程度に軽く噛み、麓から頂までを舌で撫でていく。けれど赤く色づいた果実を摘み取ることはせずその手前で舌を離し、もうすでに熟れた果実の周囲を透明な蜜で彩った。もどかしい刺激になのはの腰が震えるとそれを察したように、果実を口に含む。
「あ…っあぁ……!」
熱い舌が先端を往復し、頂上の窪みをくすぐるとぞくり、と快感が這い全身を震わせた。なんとか耐えようと肌蹴た制服のジャケットを握り締め、か細い悲鳴を上げる。
フェイトが視線を上げてそんななのはを見ると思わず笑みが零れた。もっと気持ちよくなってほしくて、唇で吸い上げると反対側もゆっくりと指先で転がしていく。優しい刺激のはずなのにびりびりと全身が痺れ体が自由に動かない。フェイトの唇はなのはを攻め立てるようにふくらみの頂を一層きつく吸い舌先で弾いた。
「んっ……やあぁ!」
大きく体が跳ね、それを押さえつけるようにフェイトが腰でなのはを押さえる。フェイトの力を感じ、また甘い吐息が漏れたから、両の突起を名残惜しげにきゅっと摘まれなのはの太腿の間に体を入れた。白いオーバーニーに覆われた膝の裏に手を入れ大きく開かせると短めの青いタイトミニは簡単に捲れてしまう。
今フェイトの視線は色を濃くしたショーツに注がれているんだと思うとなのはの胸は甘く痺れた。フェイトの白い指先はライムグリーンのショーツに絡み、素早く引き降ろされる。なのはの秘部とショーツを繋ぐ透明な蜜がぷつりと切れると、外気に冷やされた蜜がとても冷たく感じた。
「ふふ、なのは?もうたくさん濡らしてるね」
うれしそうなフェイトの声。太腿に冷たいフレームが当たりフェイトが秘部を覗き込んでるのだとわかった。あの、静かな紅い瞳で昂ぶり蜜を吐き出す様子を観察している。
フェイトの視線を意識するとどうしても体が反応してしまい、秘部が締まるのがなのは自身も感じられた。同時に、ゆっくりと温かいものが後ろの窄まりを這う感覚。
泉では収まりきらず溢れた蜜は、重力に従ってなのはの体を降りていく。そっとフェイトの指が後孔を拭い垂れた蜜を口に含むと頬を染め、なのはの秘部を閉ざす二枚の扉を割り開いた。
顔を寄せ覗き込み、ひくりと息づく桃色の泉を覗き込む。
なのはの秘部は穢れを知らないきれいなサーモンピンクで、吐き出した蜜に塗れ蛍光灯の光を反射しきらきら光っていた。透明な蜜を湛える泉は小さく、なのはが息を吐くごとに閉じたり開いたりを繰り返す。フェイトを誘うようなその動きに思わず舌を差し入れた。
「んぁっ……あ――」
舌先を硬くし狭い入り口を突破するとさしたる抵抗もなく、フェイトの舌を受け入れる。熱い、けれど柔らかな舌がぬるりと入り込むと反射で思い切り締め付けた。指とはまた違う這うような舌の感触に、なのはは息を途切れさせる。
きつく締め付けるなのはからギリギリまで舌を抜き、硬くした舌全体で出し入れをするとフェイトの唇から溢れた唾液が顎を撫でシャツの襟に灰色の染みを作った。
指に蜜を絡め、顔を埋めている部分のすぐ上にある蕾を人差し指と親指で摘みそのまま揉んでいく。そこがスイッチであるかのように、フェイトの指に力が込められるたびなのはの秘部は断続的にフェイトを締め付けた。
なのはの突起を摘みながらゆっくりと舌を抜いていく。時折きつく摘むと、離したくない、というように締まりフェイトの舌を引き止めた。
すっかり硬くなったなのはの蕾を今度は撫でながら、唇の端に付いたなのはの蜜を指で拭い口へ運ぶ。
「なのは、気持ちいい?いっぱい濡らして、ここ硬くなってるね。ん……っ」
「あ……あっフェイトちゃ……ん、きもち、いよ、あ……っ」
なのはの蕾を指の腹で転がして、溢れ続ける蜜をもったいないというように唇を寄せて啜ると子供がストローで甘い飲み物を吸い上げるような猥雑な音が響いた。
「やだ……やだっ」
フェイトの吸う蜜が上げる音の大きさが、自分の感じてる度合いを表すように思えてフェイトを制そうと手を伸ばしても、蕾をきゅっと押さえられれば抵抗できずに金色の髪を一筋掴むだけ。時折肌に当たる眼鏡の冷たさが、なのはの中に宿る熱を咎めているようにも思えた。
「んっ、おいしいよなのは……」
呟いてなのはの突起から撫でつぶしていた指を離すと唇を寄せ軽く吸った。
「っあぁ――フェイト、ちゃ……っ!」
突起から鮮やかな快感が湧き上がり、なのはの下腹部を痺れさせ胸が詰まる。
フェイトは突起を軽く吸いながら唇をゆっくりと離し、そうされればなのはの突起が軽く引かれそこに集まった熱を吸い出されそうな激しい快感が腰の奥で溶けた。あと少しで唇が離れてしまうというところで、フェイトはもう一度ちゅっと吸い舌先で先端を擦る。なのはの脳裏が赤く焼ききれ、体は震えに包まれた。
「だめ……っフェイトちゃ……もう、もう――」
息も絶え絶えになのはがフェイトの髪を撫でると、なのはの絶頂を感じ取り咥内で突起を転がしながら中指と薬指を入り口に添える。熱い泉に指を沈めていくと、さらに奥へ引き込むように中が震え一気に奥まで押し込んだ。
なのはは雪崩に襲われたような快感に抵抗できず、薄れる意識の片隅で勝手に体が痙攣を始めるのを感じた。快感という衝撃に体が震えると、思わず手の甲に冷たく硬いものが当たる感触。
フェイトの眼鏡はソファに当たり床に落ち、軽やかな音を響かせた。
その音に驚いて視線を向けると、フェイトも驚いたように床を見つめ、けれど自分以上に驚いているなのはを安心させようと少しはにかんだ。
隔たりのない柔らかな紅い瞳に見つめられると、やっといつものフェイトに会えた気がした。
「フェイト、ちゃん……んぁこっち、き……て?」
切羽詰った声を向け、快感に潤む瞳で柔らかなフェイトを見つめると同じように熱い温度を湛えた紅い瞳に覗き込まれる。
フェイトが体を寄せた時に指が押し込まれなのはの中を余計に抉った。
「ん、あっ……」
不意に訪れた刺激に甘い吐息をフェイトの頬に噴きかけると、白い繊細な指先がなのはの頬をゆっくりと撫でる。触れるか触れないかの距離で労わるように、張りのある、熱の篭った頬からじんわりとなのはの快感が伝わりフェイトの吐息がなのはのものと混じった。
その交じり合った熱を逃したくなくて思わず唇を塞ぐ。
フェイトを求めるように伸ばされた舌を絡め、吸い上げると甘えるような声が聞こえた。愛しくて、なのはにきつく体を押し付け中に埋めた指をもう一本増やし、湿った音が響く中絡みつく壁を激しく擦る。
「あ……っフェイトちゃ…んはげし……あっあぁっ」
体の奥から湧き上がったなのはの魔力光と同じ色をした、けれど下腹部を焼いてしまう濃い桃色をした熱がなのはの意識を蝕み甘い沼へと沈めていく。感覚が絡め取られ、瞼を白々と照らす蛍光灯が眩しかった。
瞼に影が落ちると、また唇に蕩けるような感触。ゆっくりと瞳を開け、開かれたままの紅い瞳を見つめると微笑まれたから自由にならない手を持ち上げ目じりから頬をなぞった。
じっと見上げる菫色を不思議そうに見つめ、柔らかな壁を一撫でするとすぐに快感を表す瞳に切なげに眉を細める。
与えられる快感に勝手に力が篭り、温かな頬に触れた指先は白を青で縁取られたジャケットの裾を握り締めた。
瞳から覗くフェイトの感情を知るとそれだけで気持ちが昂ぶり吐息が乱れる。
「あ…っフェイトちゃん、フェイトちゃん……!も、だめ……っあ……好き、好きなのっ」
口に出さなくてもなのはの感情を汲み取るように唇を据われ、少し曲げられたフェイトの指先がほんのり窪んだ壁を押し付けるように出入りをすると、甘い感覚に満たされ激しく体を震わせた。
快感の余韻を残す浅い吐息が部屋に響き、その気だるげな吐息には桃色が付いているのではないかとなのはは思った。
なのはを労わるようにフェイトが瞼から頬に口付け深いため息を漏らし、その吐息がフェイトの深い満足を表していた。
なのはの吐息が納まるまで静かに体を重ね、ゆっくりと菫色の瞳を見つめると触れ合うだけのキスをした。
ふと、何かに気づいたようにフェイトが体を起こし手を床に伸ばすと、弾かれた眼鏡を拾い上げる。
銀色のフレームに付いた埃を払うように何度か手を滑らせ、掛けようとテンプルを広げた。けれど手に取った眼鏡をじっと見つめテンプルを畳むとテーブルの上にそっと置く。
なのはは不思議に思いフェイトの手元を見つめると、その視線に気づいたように紅い瞳が細まる。
「しなれないからかな?眼鏡掛けるとなんだか緊張するね。……それに、なのはと愛し合うときには邪魔だから」
なのはの視線に答え微笑むと、きつく抱き締めた。
頬に当たるのは、隔たりのないフェイトの温もり。