Happy Halloween Night


 ピピピピピ――

 一日の疲れを癒そうと浴びたシャワーの後すぐに、無機質な電子音が部屋に響いた。
豊かな栗色の髪をタオルで拭うと部屋着を纏い、空中に指を滑らせ端末を呼び出す。画面には、八神はやて、の文字。それだけで通信の内容がほぼ予想がつき、少し微笑むと人差し指で端末を叩いた。
「もしもし、はやてちゃん?どうしたの?って言ってもヴィヴィオのことだよね?」
『なのはちゃん、夜遅くなってもうてごめんなぁ。そうや、ヴィヴィオなんやけどもうだいぶ遅なってしもたから、今日はうちに泊まらせるな?』
「ごめんね?はやてちゃんも忙しいのに今日一日ヴィヴィオにつき合ってもらっちゃって……。こちらこそ迷惑じゃないかな?」
『ええて。ヴィヴィオ聞き分けもええし、今日かて夕飯の後片付け手伝ってくれたんよ?ほら、ヴィヴィオ?』
『なのはママ、明日楽しみにしててね!お菓子、すっごくおいしそうにできたんだよ!』
「そっか、じゃあ明日ははやてちゃんの迷惑にならないように早めに帰ってくるんだよ?なのはママもフェイトママも楽しみにしてるから」
『うん!』
「じゃ、もう一回はやてちゃんに代わってくれるかな?」
『はやてちゃーん、なのはママが代わってって言ってるよー!』
 はやてちゃん、なのはがそう呼んでいるのを真似してヴィヴィオもそう呼ぶようになった。はやては笑ってええよ、と言ってくれているがさすがにちゃん、は良くないか、そう思いなのはは苦笑い。
『なのはちゃん?そういうわけでヴィヴィオはうちで預かるから――ってそう言えばフェイトちゃんはどないしたん?』
 端末の向こうではやてが辺りを見回す。
「フェイトちゃんは今シャワー中だよ?」
『そうなん?ほな、フェイトちゃんにもよろしくな?』
「うん。はやてちゃんごめんね?じゃ、また明日――」
『また明日な~』
 ぷつり、回線が切れると音もなく端末が消える。
 今日、ヴィヴィオは明日がハロウィンということもありお菓子作りのために八神家へ遊びに行っていた。遊びに行けば概ねそのまま夕飯を食べて泊まるのがいつものパターンで、今日も例に漏れず。はやてに迷惑が掛からないかと尋ねると、うちは大所帯やから一人も二人も変わらへんよ、とはやては笑った。
 ドライヤーで髪を乾かしふと鏡を見ると、どこか楽しそうな自分と目が合う。母親として不謹慎かと思いつつも、久しぶりにフェイトと二人きりで過ごす夜がうれしかった。
 とさり、ベッドに身を沈めると、ふんわりと弾む感触が楽しくて思わず微笑む。乾かしたばかりの髪の感触が気持ちよくて、指で触れるとさらりと流れた。フェイトが、待ち遠しい。
「――なのは?上がったよ?」
 フェイトの声と同時にリビングのドアが開く。思わずなのはの顔が綻ぶと、フェイトが不思議そうな顔をしてベッドに腰掛けた。
「なのは、なんだかうれしそうだね?どうしたの?」
「――なんでも、ないよ?」
 なんでもない、そう言ってもはにかんだような表情のなのはが気になり、フェイトはなのはの瞳を覗き込む。
「フェイトちゃんこそ、どうしたの?」
 そんなフェイトの仕種に微笑みながらなのはが尋ねると、なぜだかフェイトの頬が染まった。
「どうしたのって……。なのはが…んっ……」
 お風呂上りでほんのり染まった肌にさらに朱が注すと愛らしくて、柔らかな唇を塞ぐ。いつもより温かな唇は蕩けるようで、その感触を追うように唇を押し付けると軽く吸って離れた。
「フェイトちゃん、こっち」
 まだとろりと瞳を潤ませるフェイトに手招きをすると、ベッドに背をもたれ自らの前辺りを軽く叩く。ここに座って、なのはがそう言っているのがすぐにわかると、フェイトはゆっくりとベッドに上がった。
「ほら、もたれていいよ?」
 そう言ってなのはがフェイトの腰に手を回すと、引き寄せる。
「だって、重くない?」
 振り返りながらなのはを気遣うフェイトに、くすり、笑みが零れた。もう10年以上一緒にいるのにまだそんなことを気にするフェイトが可愛らしいと思う。もう、お互いのことなら全て知り尽くしている。フェイトがもたれたくらいで重いわけがないのに。
「大丈夫だよ?」
 おずおずと見上げる紅い瞳に微笑むと、体に掛かる微かな重みと温かな体温。シャワーを浴びたばかりでまだその熱が残るフェイトは、とても温かかった。鼻先を金色の髪に埋めるとシャンプーのいい匂い。胸いっぱいに吸い込むと、回した手に力が篭る。
「フェイト、ちゃん……」
 溜息を吐くように囁くと、吐息が耳をくすぐったのかフェイトが体を竦めた。
「んっ…なのは?」
 問いかける紅い瞳に微笑むとぴたり、頬を合わせる。
「なのは……。ヴィヴィオ、帰ってきちゃうから……」
 フェイトはなのはを諌めるように、回した手を撫でる。そう言えば、ヴィヴィオのことをまだフェイトに伝えていなかった。けれど。いたずらを思いついた子供のように微笑むと、なのははフェイトの耳に唇を当てた。
「そうだね?もうすぐヴィヴィオ帰ってきちゃうね。どうしよう。困ったなぁ」
 困った、なんて口先だけのことでちっとも困った様子が感じられないなのはをもう一度フェイトが振り返る。
「なのは?また今度にしよう?ね?」
「今度?」
「うん、今度」
 子供に諭すようなフェイトの口調が可愛らしくて、思わず込み上げた笑いを堪えた。
「今度、なんていつかわからないよ。フェイトちゃんはしたく、ない?」
「んっ…したくないなんてこと、ないよ?でも、ヴィヴィオが……」
「うん。ヴィヴィオ、帰ってきちゃうね?」
「な…のは?だから――っ!」
 唇が微かにフェイトの耳元を掠めると、なのはの腕の中でフェイトが震える。
「フェイトちゃんは、いや?」
「だから、なの…っ、いや、なんかじゃ……んんっ」
 わざとフェイトの耳元で吐息混じりに囁くと、その度にフェイトの体がびくりと跳ねた。
「ね…フェイトちゃん。わたしはフェイトちゃんといっぱいキスして、おっきな胸にも触りたいよ?フェイトちゃんのおっきいけど柔らかくって、触ってるとすごく気持ちがいいの。あ、でも触ってたらてっぺんが硬くなっちゃうね?フェイトちゃん、触ってもないのにすぐ硬くしちゃうから、そうしたら優しく撫でてあげるね……」
「や…なのはっ……!っんなこと…言わないで……」
 なのはの言葉に耳まで赤く染めたフェイトが首を振ると、笑みが零れる。
「どうして?恥ずかしいの?」
 努めて優しく問いかけると、さらり、金色の髪が揺れた。
「でも、仕方ないよね?本当のことだし、フェイトちゃんするの嫌だって言うから……わたしだって我慢してるんだよ?」
「な…のは、いや、なんかじゃ…ないってば…んぅ……」
「本と?じゃ、続けるね」
「ちが…なのはっ……」
 フェイトが制止しようと振り返ると、菫色の瞳が楽しそうに微笑む。その微笑が何の他意も含んでいない優しいもので、却って自分の方がやましい想いを抱いているような錯覚。思わず瞳を逸らし俯いてしまうと、なのはの腕が優しく包み込んだ。
「……でね、その硬くなったところを撫でるともっと硬くなるから、人差し指と親指で摘むとフェイトちゃんから可愛い声が上がるんだよ。そのまま右とか左につねったり、引っ張ったりして先っぽを舌でくすぐるともう我慢できなくなっちゃうみたいで、なのはお願いって、おねだりするフェイトちゃん、可愛いんだから――」
「いや…なのは……」
 耳元で囁かれるなのはの言葉に羞恥心からフェイトが瞳を閉じると、瞼の裏になのはに組み敷かれる姿が浮かぶ。触れられてもいないのに胸の先端が硬くなり、つきりと疼いた。耐えられず息を吐くとぴたり寄せられたなのはの体温と、耳を掠める吐息がさらに感じられて唇を噛む。
「なんだかフェイトちゃん体震えてるけど、大丈夫?体もすごく熱いし、熱、あるのかな?」
「ひ…んっ」
 じりじりと高まった体になのはの吐息が触れるだけでも、体が竦む。もう一度、大丈夫?と問われたから、何度も頷いた。
「よかった。じゃあ、続けるね?」
 なのはの言葉に、またフェイトの体が跳ねる。
「フェイトちゃんが可愛くおねだりしても、まだ触ってほしいところには触らないよ。だって、その方がフェイトちゃんは喜ぶから。……そうだよね?だから、また胸の先っぽを、今度は舌で転がしたり、吸ったりしてフェイトちゃんが我慢できない、ってくらいびくびくしだしたら、ね?――噛んであげる、痛いくらいに」
「っうぁ…なの、はぁ……」
 少しトーンを落としたなのはの声に、胸の先端に食い込む硬い歯の感触と、同時に湧き上がる痛みと快感を思い出し熱い溜息を吐いた。びくり、体を竦ませると秘部から蜜が溢れフェイトのショーツに染みを作る。自然と上がる、息。
「フェイトちゃん、息が荒いよ?体調、悪い?」
 気遣うようななのはの言葉も興奮を煽るためで、フェイトは無言で首を振る。
「そう?我慢できなくなったら、すぐに教えて?」
 何を、なのはに伝えればいいのだろう。もう我慢ができない。体調が悪いのではなく、なのはが囁き続ける言葉に興奮して。それは、我慢ができないからなのはに慰めてほしいという、哀願。今すぐにもヴィヴィオが帰ってくるのかもしれないのに、なのはの囁く言葉を勝手に想像して、高まって。フェイトは何とか耐えようと唇を噛んだ。そうしたからといって興奮が納まるわけでもないのに。
「それでね、噛んだところを今度は優しく舐めてあげるの」
 また、なのはが言葉を紡ぐ。
「きっとフェイトちゃんいっぱい濡らしてるね」
 フェイトの吐息の間隔が、さらに短くなる。
「そ…んなこと、ない……。なのは、もう、やめて……?」
 もう体に力が入らず、やっとのことで首を巡らせるとなのはを見上げた。紅い瞳は透明な雫を湛え、赤く染まった頬。ほんのりと開いた唇からは絶えず吐息が漏れる。フェイトが感じていることは明らかだった。
「本当にやめてほしい?」
 優しげななのはの問いかけにフェイトが一つ頷くと、回されていた腕が緩む。と、なのはの左手がゆっくりとフェイトの体を滑り、するりとショーツへ侵入した。
「ん…いやっ!なの…はぁ」
 慌ててなのはの左手に手を重ねてもすでに遅く、ゆっくりとフェイトの秘部をなぞる指先。そこはもうすでに溢れんばかりの蜜を湛え、少し触れただけで指先に絡みついた。
「あは、フェイトちゃん。ここもうびっしょりだよ?言葉だけで感じちゃった?」
「あっ…んぁ…なのは……」
 なのはの指先がそっと撫で上げると、力を入れたわけでもないのに綻んでなのはの指を迎え入れる。熱い泉に指を浸し蜜を絡めると、その上の突起をさらりと撫でた。
「くぅ…んっ…だめ…だめだよなのは……っヴィヴィオが帰ってきちゃ……」
「そうだね。早くしないとヴィヴィオ帰ってきちゃうね?もしヴィヴィオに見られちゃったらどうする?こうして、ヴィヴィオが帰ってくるってわかってるのに感じちゃってる、フェイトちゃん。恥ずかしいよね、すごく。……でも、フェイトちゃんがして、って言ってくれればがんばって早く終わるかもしれないよ?あ、ごめんね?フェイトちゃんはしたくないんだったよね」
 そう言うと、なのははあっさりと手を離しフェイトを解放する。
「っ……」
 後に残された体が、熱かった。中途半端に突起に触れられ、ずきずきともどかしい快感が残る。
「さ、フェイトちゃん。ヴィヴィオが帰ってくるからベッド直してソファに行こう?」
 そう言って何事もなかったかのようにフェイトの手を引くなのは。けれど、なのはに触れられればその手の感触が否応なしに意識させられる。この柔らかい指先で胸に、もどかしい泉とその上に息づく突起に触れられたら――。
 フェイトの耳に、弾む自らの吐息がはっきりと聞こえた。思わず、引かれたなのはの手を引き返す。
「どうしたの、フェイトちゃん?」
 覗き込まれて、言葉を探した。けれど、何を言ったらいいのか言葉が喉の奥に詰まりなかなか出てこない。フェイトの視線はなのはの菫色をした瞳と繋がれた手を、何度か往復した。
「あの、なの――」
 なのは、そう言おうとしたところで繋がれた手が解かれる。そっと視線を上げなのはを見ると、なのはの視線は少し離れたデジタルの数字に向けられていた。その口元が少し上がる。
「もう日付が変わっちゃったね。今日はハロウィンだよ?フェイトちゃん」
「あ、う、うん。そうだねなのは」
 なのはの言葉の意味を図りかねて返事だけ返すと、なのはの両手がフェイトを覆うようにベッドに着かれた。にこり、優しげに微笑んで体を寄せると、同じシャンプーの匂いがする。まっすぐな瞳に見つめられ、フェイトも目が離せない。
「フェイトちゃん、トリックオアトリート?」
「――え?」
 フェイトが問い返しても、なのはは微笑むだけで返事はない。
 「トリックオアトリート」その意味を反芻すると、熱にうかされる体が求められている回答を自然と導き出した。優しいなのはのくれた二つの選択。フェイトは、そのどちらかを口にすればよかった。けれど、もてなす物を何も持たないフェイトが選ぶことのできる答えは、一つしかない。
「フェイトちゃん、どっち?」
 なのはにもう一度問われると、耳まで赤く染めて言葉を紡ぐ。
「っなのは…私、お菓子とか持ってない…から……っその……」
「残念だなぁ。じゃあ、いたずらされちゃっても仕方ないね?」
 楽しそうに笑って、なのはの指先が脇腹を撫でるとこそばゆい感覚と、もどかしい快感が湧き上がりフェイトの体が震えた。
「っあぁ…なの、は……」
 なのはの指先はフェイトの脇腹を何度か上下に撫でると、首筋を上り耳をくすぐる。
「んっんぅ……」
 勝手に上がる声が恥ずかしくて指を噛むと、とろり、また蜜の溢れる感覚。もう、腕で体を支えることすら困難だった。そのうち、優しいなのはの手の感触が消えると今度は下腹部に鮮やかな快感が駆ける。なのはの左手が、触れるか触れないかの距離でショーツを撫でていた。フェイトのショーツは蜜が染み込み、撫でるだけでその滑りが感じられる。
「あは、フェイトちゃん下着汚れちゃってるね?このまましてあげたいけど、どうしよっか。ヴィヴィオが帰ってきちゃったら困るんだよね?」
 このままなのはの指先に全てを委ねるつもりでいたフェイトは、あくまできちんと言葉にしなければならないなのはの意図を感じ羞恥から手の甲で顔を覆った。
「や…っなのは…なのは……!お願…い、して?もう、我慢できな……」
「うん、いいよ?じゃ、ヴィヴィオが帰ってくる前に、ね?」
 なのはの言葉にほっと息を吐いて頷くとベッドに体を沈め、なのはの栗色の髪がさらりと素肌を撫でた。その刺激に体を竦ませると、またすぐに鮮やかな快感に襲われる。なのはの左手が指先を押し付けるようにショーツを撫でると、先ほどとは違う強い快感にフェイトは喘いだ。
「あ…んぁ……っ」
「フェイトちゃん、こんなに下着汚すくらい感じてたんだね。ね、どうしてほしいか教えてほしいな」
「ん…なの、はぁ……」
 いつもならそんな恥ずかしいことは言えないと頭を振るが、もう夜も遅い時間。いつ帰ってくるかわからないヴィヴィオは、きっとはやてに送られてくるに違いない。そう思うと羞恥よりも焦りが勝った。
「っは…なのは……胸、触って…いっぱい、触って……?」
 ぎゅっと瞳を閉じてなのはにお願いをするとすぐに、素肌が外気に触れる感覚。同時に、右胸の先端に痺れるような快感が走った。
「あぁ…ん…なのは、なのは……」
「ほら、ね?フェイトちゃんのここ、もう硬くなってるよ。優しく撫でてるだけなのにね」
 なのはの指先がころころとフェイトの突起を転がすと、次は優しく摘まれ左右に捻られる。その度にピリピリとした刺激に体を竦ませ、自然と秘部に力が入ってしまった。また、蜜が溢れひんやりと張り付く感触。そんなフェイトになのはから笑みが零れると、唇を寄せ舌で先っぽを押し付けるように舐めた。
「ん…ふぅっ」
 びくり、跳ねるフェイトの体を撫でるようになのはの手が降りると、指先にショーツを引っ掛け降ろしていく。
「フェイトちゃん、下着汚れちゃうから、ね?」
 なのはの言葉に、もうすでに蜜に塗れたショーツを思うとフェイトはまた頬を染めた。
 ゆっくりとなのはの顔がふくらみに近づき、ぺろり、真っ赤な舌でふくらみを撫でる。わざと突起に当たらないように周囲に舌を這わせると、フェイトの体が震えた。早く、突起を口に含んで、そして痛いくらいの刺激がほしい。フェイトが熱い溜息を吐くと、それを見透かしたようになのはが微笑んだ。
「ふぅ…っなの、は……。お、ねが…いなのは……」
 先ほど耳元で囁かれた言葉を踏襲するようなおねだりに、消えてしまいそうなほどの羞恥を感じる。きっと、そうしなければなのはは触れてはくれない。けれど、それすらも心地よく感じてしまい漏れる喘ぎに、フェイトは手の甲を唇に押し当てた。
「あは、フェイトちゃん。別にわたしが言った通りにしなくってもいいのに」
 笑いながらなのはが性急すぎるフェイトを諌めるように突起を摘むと、鋭い快感が下腹部を痺れさせる。
「あっ…やぁっ!」
 シーツを握り締め、腰をベッドに押し付けるような仕種にフェイトの快感が高まっていることを悟ると唇を寄せ、突起の周囲をなぞった。あと、少し。ほんの数ミリずれれば望んだ刺激が与えられるのに。もどかしさに、フェイトは喘いだ。
「なのはぁ…もう、本当に…して?お願いだから……んぅ…」
 二度目の可愛らしいおねだりに、フェイトの熱い唇を味わうと滑らかな素肌に押し当てながら段々と唇をずらして行く。柔らかなふくらみの天辺で色づく果実にふっと息を吹きかけると、フェイトが体を強張らせるのと同時に口に含んだ。
「あぁ……っなの、はぁ――」
 きゅっと舌を絡ませ吸い上げると、か細い悲鳴が上がる。左手でそっと脇腹を撫でると、二度、三度と体が跳ねた。撫でているだけでも体を震わせるフェイト。その様子からもうギリギリまで高まっていることを感じ取るとちらり、フェイトを見上げゆっくりと歯を立てた。弾力のある肉に食い込む感触にほんの少しだけ力を込めると、フェイトを抱き締める。
「ん、あぁぁ――――」
 これまでで最も背を反らせ、達してしまったかのように体を震わせるフェイトに力を緩め優しく歯の跡をなぞった。鋭い痛みと、じんじんと痺れるような感覚が入り混じり、鼻の奥がつんとする。
「っくなの、は…なのは……」
 感情が昂ぶり何度もなのはの名前を呼ぶと、最後に一つ舐め上げてから寄り添う温もり。温かななのはの体温を感じると、安堵の溜息が漏れた。
「フェイトちゃん、痛かった?」
 耳元で囁くなのはの声に、こくりと頷くと優しく髪が撫でられる。
「でも、気持ちよかった?」
 相反する問いかけに、もう一度頷いた。
 なのはの胸の中で、噛まれた箇所が熱を持ち、その熱が下腹部に移る。先ほどから全く触れられていなかった秘部のもどかしさから、思わず膝と膝を擦り合わせた。
「もっと、してほしい?」
 どこか楽しげななのはの声に、熱い吐息が漏れる。なのはの左手が下腹部を滑ると、期待から奥がじんと疼いた。
 そっと、フェイトのひだを割開くととろり、溜まっていた蜜が零れシーツに染みを作る。熱い泉に指先を浸しながら第一関節まで沈めると、フェイトの腰が震えた。
「っあ…なのは……」
 溜息混じりの呟きが、なのはの動きを促す。けれどやはり、なのはの指先はそれ以上は進まずに入り口辺りをゆっくりと掻き混ぜるだけ。フェイトは、なのはの部屋着の裾をぎゅっと握るとそっと視線を向けた。菫色の瞳が少し細まり、フェイトに問いかける。お互いの瞳に移る自分自身を見つめると自然と力が入り、なのはの指を引き込むように中を締め付けた。
「フェイトちゃんがもっと、って言ってるね」
 そう言うと、なのはの指は動きを再開しじわじわと中を押し広げられていく感覚に甘い声が漏れる。
 なのはの指先が根元まで埋まると、その部分が楔にでもなったかのように体を自由に動かすことができなくなってしまった。勝手になのはの指を締め付け、湧き上がる快感に吐息の間隔が短くなる。
「あ。ね、今車の音しなかった?ヴィヴィオかな?」
 突然のなのはの言葉にどきり、フェイトの鼓動が不規則に揺れた。甘い快感に酔っていて聞こえなかった車の音が、なのはには聞こえたのだろう。慌てて体を起こそうとすると、中に埋められたなのはの指がトン、と奥を突いた。
「や…っなのは…あ、ぁぁっ!」
 なのはを止めようと伸ばした手は、添えられるだけ。今までとは比べ物にならない直接的な快感に、フェイトの下腹部が痺れた。その間もなのはの指先は奥の壁をさらりと撫でたかと思うと、手前の窪みを指の腹で擦る。本当にヴィヴィオが帰ってきたら、と思うと胸の中で不安が渦巻くがそれを吹き飛ばすような快感の波に、逆らえなかった。
「なの…は、だめ……っヴィヴィオ達に見られちゃ…んぁあぁ」
「うん、だからフェイトちゃん早くしなきゃ……」
 早く、その言葉とは裏腹になのはの指の動きはゆるりとしたものに変わり、掴めそうだった光は遠のいてしまう。浅い部分を圧迫するように押し当てられた指がじれったくて、焦りから腰を揺すった。
「っは…なのは……」
 羞恥と快感から、耐えられず名前を呼ぶとそれに応えるように唇が寄せられる。なのはは唇でくるり、フェイトのふっくらとした蕾を覆うと軽く吸った。
「ん、んぅ――」
 確かな快感にフェイトが喘ぐと、揺すった腰の動きに合わせてなのはの指の出入りが早まる。浅い窪みに引っ掛けるようにして小刻みに動くと、フェイトの中が一層狭まった。不器用に腰を揺らす動きが愛おしく、なのはは目を細めると少しきつく突起を吸い顔を覗かせた先端を舌で弾く。
「あ…なのは…だめ、だめ…もういっちゃ……!っあ、あぁぁあぁ――」
 なのはの視界の隅でフェイトの足が突っ張ると、すぐに全身を震わせあっけなくフェイトは達した。断続的に震える内部からとろとろと蜜が零れ、舌で拭うとまたびくりとフェイトの体が跳ねる。けれど柔らかな手に髪を撫でられると、まだ中に埋まっていた手が握られた。
「な…のは、も、だめ…早く直さないと……」
 息も絶え絶えにフェイトが呟くと、ぬるり、中から指を引き抜く。息を弾ませながら部屋着を直す姿が可愛いと思いつつも少し気の毒だったかと、そっと手を握りベッドに押し付けた。
「なのは?ね、もうだめだから、離して?」
 まだ潤んだ瞳で見上げるフェイトに一つ微笑むと、額に唇を落とす。
「っなのは?」
 快感の余韻で体を竦ませるフェイトを抱き締め、瞳を覗き込んだ。
「フェイトちゃん?」
 首を傾げて名前を呼ぶと、同じようにフェイトも首を傾げる。
「あのね。今日ヴィヴィオ、はやてちゃんちにお泊りするんだって」
 なのはの言葉を聞くと今までの自分の焦りと痴態を思い出し、瞬時にフェイトの頬が赤く染まった。
「だっだってなのはそんなこと一言も言ってなかった――車の音が、するって……」
「うん。フェイトちゃんに言うの遅くなっちゃってごめんね?車の音、聞こえた気がしたんだけどな」
「――なのは、私のことからかったの?」
「からかってなんかないよ?ただちょっとフェイトちゃんが可愛いなぁって思ったの。――フェイトちゃん?」
 耳まで真っ赤に染めて俯いてしまったフェイトを覗き込むと、そっと握った手が握り返された。
「なのはひどいよ……。私、いつヴィヴィオが帰ってくるかってドキドキして、すごく恥ずかしかった」
「うん、ごめんね?でもかわいかっ――きゃっ」
 フェイトをなだめようと顔を寄せた瞬間、フェイトに握り返された手が今度はベッドに押し付けられる。
「フェ、フェイト、ちゃん?」
 名前を呼ぶとにっこりときれいな笑顔が返ってきた。かえってそれが、怖い。
「ヴィヴィオがお泊りなら、一足先に二人っきりでハロウィンを祝おうよ。なのは。さ、選んで?」


 ――Trick or treat?


「と、とりーと?かな?あはは……」
「うん、なら甘いお菓子をいただかなきゃね」
「や…っフェイト、ちゃ……!」
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「とまぁ、大体こんなとこやろか?」
 八神家のリビングで、今日作ったパンプキンプディングを食べながらはやてが呟く。
「はやてちゃん、すごい!大体合ってる!」
「そやろ?だてにあの二人と10年付き合ってないしな。なのはちゃん誘い受け、フェイトちゃんヘタレ攻めは王道やよ」
「主、子供にそういう話題は教育上あまり良くないのでは……」
「もーシグナムは真面目さんやなぁ。ドリームや、ドリーム。人は妄想の中では自由や。けど、ヴィヴィオも大変やなぁ。この歳から大人の事情を察してごくナチュラルに家を空けるなんて、泣かせる話や」
「でも、いつもママたちお仕事で忙しいしたまには二人っきりの時間がほしいだろうなぁって」
「ぐすっ、はやてちゃん、本と泣けますよね~」
「ほんまや、もう涙なしでは語れへん。……と、もう夜も遅いしヴィヴィオは私と寝よか?」
「うん!」
「またなのはちゃんとフェイトちゃんの話たくさん聞かせてな?」
「いいよ!」

 と、こうしてヴィヴィオの八神家での夜は更けていくのであった……。


E N D