いつも隣に

機動六課のとある夕暮れ、その日、フェイトは一日スカリエッティの犯罪歴、素性、交友関係など彼の嗜好を洗っていた。
そうすることで、少しでも早く事件を解決へと導くことができればと、地道に執務官としての職務をこなす。
端末のコンソールを叩いている手を止め、何気なく窓を見るとそこにはきれいな夕暮れ。
空が紅く染まり、紫の闇へと見事なグラデーションを描く。
ふと、もうずいぶんと長く端末に向かっていた自分に気づき、やっと手を降ろした。
今日は空が真っ青で、絶好の訓練日和だったから、きっとみんな汗だくで宿舎に帰っていることだろう。
そんなことを考え出すと、なんだか一日中デスクワークの自分がひどく不健康に思えて、一つ息を吐くと力を抜き体を椅子に預けた。

――ちょっと、根、詰めすぎたかな…。

そう思い、一日のデータをディスクに落とすと端末の電源を落とす。
乾いた目を閉じ、肩の力を抜くと、席を立った。
今日はもう、終わろう。
なんだか、無性になのはに会いたくなった。




フェイトが宿舎に戻ると、ロビーにエリオとキャロが談笑しているのが見えた。
二人は、フェイトが近づいてきたのに気づくと立ち上がり、出迎えてくれる。
「フェイトさん、お帰りなさい!」
「お疲れ様です!」
少しだけ頬が桃色なのは、二人ともシャワーを浴びた後だからだろう。
軽くしゃがんで手を伸ばし、エリオとキャロの頭を交互に撫でる。
「二人もお疲れ様。今日はすごくいい天気だったから、汗いっぱいかいたでしょ。シャワーの後、かな。」
そう言って、まだ少しだけ湿っているエリオの髪を一筋掬うと、湿ってくっついた髪の毛の束をほぐすように、指ですいた。
「フェ、フェイトさん!」
エリオは照れて頬をさらに染めると、逃げるように半歩下がる。
「ふふ、エリオ、ちゃんと髪乾かさないと風邪引くよ。キャロも、冷えない格好しなきゃ。女の子にとって冷えは大敵だから。」
そう言って、キャロの頬に手の甲を当てると、まだ温かかった。
頬を緩めるキャロに、にこりと笑って立ち上がる。
「そう言えば、なのはさん、どこにいるか知ってるかな。」
きっとさっきまで訓練をしていた二人なら知っているだろう。
親友の居場所を。
「なのはさん、ですか?」
「私と入れ替わりでシャワー室に向かわれたと思います。多分…。」
シャワー室。
その可能性はかなり高い。
「そうだね。ありがとエリオ、キャロ。夕飯は一緒に食べようね?」
そう言って、また二人の頭を撫でると手を振り、歩き出す。
夕飯前にシャワーを浴びるのもいいな、そう思った。




シャワー室へのドアが開き、脱衣所に足を踏み入れると、ドアの外より数度高い温度と湿度。
個別になっているロッカーを見ると、制服が二着。
なのはの教導官の制服と、あと一つは、タイツの色などからおそらくティアナのものだろうと判断できた。
その隣にフェイトも制服のジャケットを掛け、タイを緩めようとした瞬間、ドアの向こうからなのはとティアナの声が聞こえてきた。

『ティアナ、もっと力抜いて…。』
『で、でも、なのはさんっ…、こんな…。』

ドア越しの声は少し篭っていて聞き取りづらい部分もあったが、確かになのはとティアナの声。
ティアナは、ひどくうろたえているようだった。
思わず、息を潜める。

『そっか、ティアナ初めてだもんね…。大丈夫だよ?痛くしないから…。』
『あっ、そんな…!やめ、っぁ!』
『ね?ほら、力抜いて?すぐに気持ちよくなるから――。』

そして少しの沈黙の後、くぐもったような声。
ティアナの、声。
ぎゅっと自分のジャケットを握り締めたフェイトの手の平が汗ばむ。
しかし、シャワー室の熱気の中にいるにもかかわらず、自分の体だけがどんどん冷えて行く。
体が強張り、身動きが取れなかった。

『んっ、ん…。ぁあっ。』
『どう?ティアナ?痛い?』
『――い、いえ…。気持ち、いいです…。』
『そう?よかった。じゃぁ、これは?』
『あぁっ、い…です。』
『ティアナ、すごい。ここ、かたくなってるよ…。』
『やぁっ、なのは、さん…。』

だんだんと視界がぼやけ、世界が歪む。
二人が何をしているかなんて、見なくても明白だった。
がくがくと震える足をなんとか動かし、出口へと向かう。
手でジャケットを握り締めたままハンガーから引き剥がすと、落ちたハンガーが床に転がって、がたり、と音を立てた。
きっと、自分が聞いていたことが知られてしまったら、今のままではいられない。
六課のチームワークも、なのはとも。
その恐怖から、震える足で走り、シャワー室を飛び出した。

シャワー室を飛び出すと、そのままベッドル-ムへと引きこもった。
その後のことは良く覚えていない。
夕ご飯は、食べてない。
エリオとキャロに一緒に食べようって言ったのに。
なのはが迎えに来てくれたけど、体調が悪いからと断った。
ただならぬ私の様子に、なのははそれ以上何も言わなかった。



制服のままベッドに入ると頭から布団を被る。
どうせ、自室といってもなのはと共同。
後でヴィヴィオも帰って来る。
胸を締め付ける痛みに、ぎゅっと目を閉じると暖かいものが頬を濡らした。
心が、壊れるのではないかと思うくらいに軋み、体全体が熱い。
頭の中で何度も何度も、聞きたくないなのはの声が聞こえた。

――なのはなのはなのはなのはっっ。

心の中で何度呼んでも、いつものような蕩ける甘さはなく、体が軋み、心が痛いのか体が痛いのか区別がつかなくなっていく。
きっと、両方。

時間の感覚がなくなるまでなのはの名前を呼び続けると、やっと鋭い痛みが鈍痛へと変化した。
しかし、それは収まることはなく絶え間なく続く。
いつまでもこうしていては不振に思われる、そう思い気だるい体に鞭打ってベッドから起き上がる。
起き上がったところで、何をする気にもなれなかったし、体も動かない。
ベッドの淵に腰掛け、そのまま空間を見つめた。
何も考えないように。
何も聞かないように。

ふと、顔を上げると、いつの間にかなのはが立っていた。


「フェイトちゃん…。どうしたの?みんな心配してたよ…?」
私の隣になのはが座り、少しベッドが沈む。
「……ヴィヴィオは?」
掠れた声はとても自分のものとは思えない。
「今日は、ひとまずヴィータちゃんのとこで預かってもらうことにしたよ…。フェイトちゃん、どうしたの?」
もう一度、問いを繰り返すなのは。
シャワー室でのことは気づかれていないようだった。
なのはは、シャワー室での出来事を私が知らない、と思っている。
そう思うと、一瞬で体の隅々まで熱が駆け巡った。
同時に、頭の中だけがひどく冷静で全てが滑稽に思えてくる。
「は…、なのは。なのはは、私のことどう思ってる?私は、なのはのことがすごく好き…。」
一切、なのはの方を見ずに問いかけた。
「フェイトちゃん…、私も、好きだよ?」
一瞬の空白の後、なのはからの同意。
右の頬になのはの視線を感じる。
うれしいはずのなのはの言葉もなんだか色褪せて、思わず口をついて出た。
「――私には、なのはしかいないのに…。」
なのはには、私だけじゃない、その意味が通じたのか、肩を掴まれぐい、と体の向きを変えられる。
なのはと向き合う位置。
「フェイトちゃん。一体どうしたの?少し、変だよ?何があったか話して?」
まっすぐな瞳の中に、心配という影が見える。
いや、後ろめたさ、だろうか。
はは…、と自嘲気味に笑うと、なのはの瞳を見つめた。

「なのは。今日、シャワー室で、ティアナと何してたの?」
まっすぐな瞳につい出てしまった本音。
何をしていたのかわかりきってるのに、我ながら愚問だと思った。
なのはは、驚いたように目を見開き、その口はぽかんと開いていた。
「え?フェイト、ちゃん…?何を言ってるの?」
わけがわからない、と言うふうに、眉を寄せる。
「そう…。でも、私は知ってるよ。なのはとティアナがあんなに仲良かったなんて、知らなかったな…。」
薄く、笑う。
「…え?なんのことなの?」
「うん。いいんだ、なのはがそういうつもりなら。私は何も聞かなかった。そうするよ。」
そう言うと、軽く瞳を閉じる。
体の中に渦巻く熱を沈めるために。
「…あ、もしかして、フェイトちゃんシャワー室にいたの?」
なのはの問いには答えない。
だって、私はシャワー室には行っていないし、何も聞いてない。
「別に、ティアナとは何もしてないよ?強いてあげれば、シャワーを浴びたり、少しマッサージしてあげたくらいで…。」
「そうなんだ。いいよ、それで。」
なのはの言葉を遮り、会話を打ち切る。
「フェイトちゃん!もうやめようよ、こんなこと。言葉遊びだよ…。」
そう言ってベッドから立ち上がるなのはを見たら、なんだかよくわからなくなってしまう。

なのはは少し怒っている。

怒らせたのは、私。

なのはは、ティアナと…。


自然に、体が動いた。



なのはの腕を掴み、ベッドに引き倒す。
きゃっ、というなのはの声と共にベッドが大きく軋んだ。
そのまま手を絡め、ばんざいの格好で押し倒す。
魔法では力は互角だが、単純に肉体的な力では私が上。
だから、なのはを押さえ込むのは造作もないことだった。
押し付けた力で、なのはの手がベッドに沈む。
「フェイト、ちゃん、手、痛いよ…。」
なのはは顔をしかめながらこっちを見る。
「痛い?でも止めないよ。私も痛かったから。痛いのも半分こ、分け合ってくれるんだよね?」
私の言葉に、なのはは黙ってしまう。

私、あの子と分け合いたいんだ―。


それは、初めになのはが言ってくれたこと。




――本当は、いつも不安だった。

なのはは私に微笑みかけてくれるけど、私だけじゃない。
なのはの笑顔は私を幸せにしてくれるけど、そう感じるのは私だけじゃない。
次元航行部隊で、長くミッドを離れる時は特に。
なのはを信用していないわけじゃなくて、なのはは優しくて、みんなに好かれるから。
信じてはいたけど、どこか心の片隅で不安の種が芽生えてた。
だから、「そういうこと」もあるかもしれない、って思ってはいた。
私はいつでもなのはの隣にいられるわけじゃなかったから。
そう思って予防線を張っておかないと、私が私でいられなくなってしまう。
そのくらい、私の中でなのはの存在は大きかった。
だって、私を私にしてくれたのは、なのはだから…。

なのは、今日は誰とどんなことを話したの?
誰に微笑みかけたの?
何を食べたの?

そんな些細なことまで気になった。

なのはの中も、私でいっぱいになればいい。



「ね、なのは。私のことが好きなんだったら、言うこと聞いてくれるかな?」
なのはを上から見下ろす私はとても冷静で、少し微笑んだ。
だって、そうしないと壊してしまいそうだったから。
「……聞いたら、私の話も聞いてくれるの?」
なのはの言葉に少し首をかしげ、頷く。
「なら、フェイトちゃんの言うこと聞くよ…。」
「うん、なのは…。」
そう呟いて、少し腕の力を緩めるとなのはに覆い被さる。
なのはの首筋に顔を埋め、胸いっぱいになのはの匂いを吸い込むと、息を吐く。
頬と頬をくっつけ、感触を楽しむと、一旦離れた。
「なのは、服、脱いで。」
静かに一言言葉を紡ぐと、なのはは少しだけ頬を染めながらもてきぱきと制服を脱いでいく。
リボンタイ、教導官の制服のジャケット、シャツ、スカート、白いオーバーニー、インナーのタートル。
そこまで取り去るとなのははちらりと私の方を目で伺い、私が視線を逸らさないのを肯定と取ったのか、ブラに手を掛ける。
プチリ、とホックが外れると、なのはの気に入っているオレンジ色の下着も、ためらわず全て外すと、一糸纏わぬ姿。
さすがに恥ずかしかったのか、手で胸と大事な部分は覆っている。
「なのは。見えないよ?手は、頭の後ろで組んでくれるかな。」
なのはは何か言おうとしたのか、唇を少しだけ開きかけたが、すぐに閉じると少しだけ唇を噛み、言われた通り頭の後ろで手を組む。
言うことを聞く、そういった手前、約束を破る気はないようだ。
「なのは、きれいだよ…。キスマークとかはつけられなかったのかな?…調べてあげるね?」
なのはは染み一つないきれいな体で、戦闘でついた傷一つ見当たらない。
だから、確証がほしかった。
認めてほしかった。
ごめんね、もうしないよ、って言ってほしかった。
ベッドに座り、頭の後ろで腕を組んだなのはに、四つん這いで近寄ると首辺りから開始する。
比較的つけられやすい箇所、首筋や鎖骨周辺はきれいで、胸やお腹辺りにも見当たらない。
なのははサイドでまとめたポニーテールにしてるから、目立つ場所は避けたのかもしれない。
「なのは、手、後ろについて、足開いて?」
言われたとおり、手は後ろについたものの、やはり羞恥心で足はなかなか開いてくれない。
「なのは。」
少しだけ、強めに名前を呼ぶと、ぎゅっと目を閉じながらゆっくりと膝の間を開いていく。
ぎりぎり覗き込めるくらいまで開かれた間に、顔を埋めた。
なのはにもわかるように少し大げさに匂いを嗅ぐ。
びくり、なのはの太腿が震えた。
「残念。夕方にシャワー浴びたからあまりなのはの匂い、しないね。」
そう言って、上目遣いになのはを見上げると、なのはは、ばちりと合った視線を逸らす。
そんな様子に軽く微笑むと、一気に両手で膝を割った。
なのはの体隅々まで確かめなければ。
「――っあ!」
久しぶりの、なのはの声。
膝に力を込め、必死に足を閉じようとするが、すでに体を割り込ませた後。
なのはの膝を持ち上げ、太腿、その付け根周辺を確認したが、何もなかった。
仕方なく、持ち上げていた膝を下ろすとため息を一つ。
あと残っているのは、背中くらい。
「なのは、四つん這いになって、お尻はこっちに向けてね?」
俯いているなのはの顔を覗き込むと、顔を真っ赤にして唇を噛んでいた。
「なのは?どうしたの?」
「……も、いいでしょ?フェイトちゃん。こんな、十分だよ…。」
「まだ、だよ。なのは。」
瞬間、金色の光が走る。
それは、一瞬でなのはの手足を拘束し、私が望んだ体制をとらせる。
「――バインド?!やぁっ…!」
項垂れて、体を動かす気配がないなのはに、少し強引な手段。
「なのは。なのはならこれくらいはすぐに無効化できるだろうけど、抵抗、しないでね。どうなるかわからないから。」
どうなるかわからないのはなのはではなく、私。
視線をなのはの背中に向けると、ここも、染み一つなく滑らかだった。
そのまま、視線を目の前に突き出されたなのはの秘部に向ける。
少しだけ開いているそこに指を這わせ、割り開くと、なのはの体がびくりと震える。
力が入ったため、そこも収縮した。
改めて、薄暗いとはいえ、視界に困らない部屋でなのはの部分をじっくりと見つめる。
そこはきれいな桃色で、入り口も小さい。
しかし、私の視線を意識していたためか、入り口からとろり、と蜜が溢れ出す。
「なのはは、いやらしいんだね。胸にも触ってないのに、ここから何か出てるよ?
ね、なのは。どうしちゃったのかな?こうやって、お仕置きされるのが好きなの?」
そう言って、溢れた蜜を指で掬い、塗りつける。
「あぅっ、フェイト、ちゃぁんっ!やっ…。」
中指をなのはの中心に宛がい蜜をかき混ぜて遊ぶと、くちくちっといやらしい音。
「聞こえる?なのはは、下のお口の方がよっぽど正直だね。そろそろ、本当のこと、聞かせてほしいな?」
指はそのままにして、なのはに問う。
「ほ、んとうのこと、なんかぁ…ない…。あっ、やぁぁぁっ!」
なのはの口からはさっきと同じ答え。
蜜に濡れた指を、なのはの窄まりに、突き立てた。
蜜が潤滑液となって、つるり、と入り込む。
しかし、その刺激になのはが力を入れたため、侵入は第一関節で止まってしまった。
「や、だっ、フェイトちゃん、指、抜いてよ…。ひぅっ。」
ぬるりとしたなのはの腸内の感触。
なのははぞくぞくと背中を震わせ、鳥肌が立っていた。
「なのは、力抜いて?じゃないと痛いよ?昔、私にも同じことしたよね…、初めは痛かったけどすぐによくなるから…。」
そう言って、指を回転させながら、周囲に舌を這わせる。
「んんっ!そんなと、こ…、きたない、の…。」
「なのはに汚いところなんてないよ…。ほら、力抜いて?」
なのはの体から、徐々に力が抜けると、指の侵入も再開させる。
痛くないように、唾液を落とした。
少しだけ指を引き抜いて、抜けてしまうかというところで、唾液と指を絡ませ、再び沈める。
今度は先ほどよりもたやすく入り込む。
もう一度、ぎりぎりまでゆっくりと指を引き抜き、またゆっくりと沈める。
それを何度か繰り返すと、なのはの声は明らかに喘ぎに変わった。

「んっ、んんぅ、あぁ…。ひっ、うぁ――。」
「ほら、なのは、指感じる?今、なのはの中に飲み込まれていくよ…。すごいね…。お尻の穴なのに。
なのは、どう?気持ち、いい?」
ゆっくりゆっくりと出し入れしていた指に、今度は捻りを加えて刺激を増す。
全部、過去になのはが私にくれたやり方。
「答えて?なのは。――なのは?」
バシン、と乾いた音が部屋に響く。
私がなのはのお尻を叩いた音。
それでも、なのはは可愛いお尻を震わせるだけだったから、もう一度、今度はもっと強く打つ。
「――ひぁっ!あ…あ…、きもち、いい…の。」
「どんな風に?」
「あ…、ぞくぞく、するの…。熱いよぉ…、ぅあっ。」
大分素直になってきたなのはに笑みが零れる。
引き抜いた指を、今度は今までで一番深く、沈めた。
と、指先にコツンと硬いものが当たる感触。
すぐに、それが何かはわかった。

「ふふ、なのは。今日、お通じあった?」
少し笑いを含んだ声。
「………な、いの。」
控えめななのはの返事に、背筋がぞくぞくした。
「うん、今ね、私の指先に当たってるんだ。なのはの。」
「ぃやぁぁ!やめて、フェイトちゃん!もう、抜いてよぉ…。」
涙声のなのは。
だから指は抜いてあげることにした。
「そうだね。指はもう抜こうか。」
そう言うと、ぬるり、となのはの中から指を引き抜く。
なのはの体は汗ばんで、やっと収まった刺激に惚けているようだった。
少し待ってて、そうなのはに声をかけるとリビングへと向かう。

なのはを苦しみから解放したいから。



「――あった!」
リビングの棚の奥から、やっと目的のものを見つけるとすぐにベッドへと戻る。
私が帰ってきたのがわかると、なのはは顔を上げた。
頬を染め、涙でぐしゃぐしゃななのは。
シーツには唾液と愛液が大きな染みを作っていた。
「なのは、お待たせ。」
なのはの隣に腰掛けると、なのはは不審そうに私が抱えた小箱を見る。
「これ?今のなのはに必要なものだよ。ほら。」
そう言って、小箱を開ける。
そこには、絆創膏やガーゼや薬に交じって見慣れない四角いパッケージ。
「三人家族だからかな…?三つあるね。ヴィヴィオの分、なのはの分、私の分。」
そう言って、備え付けてある薬箱からそれを取り出す。
内容分には、グリセリンなどと書かれているそれ。
いわゆる、イチジク浣腸。
それを見たなのはの顔色が変わる。
「いやっ!フェイトちゃん、まさか、それ…。」
先ほどは桃色に染まっていた頬が、今度は真っ青に。
「なのはの健康な生活のためには必要なんだよ。聞き分けのないこと言ったら、ヴィヴィオに笑われるよ?」
「いやぁ、フェイトちゃん!やめて!っぁあぁぁ!」
バインドで拘束された手足をバタつかせるなのは。
でも、それは身動きが取れない中での無意味な抵抗でしかない。
私は、なのはのお尻を掴むと、割り開いて入り口に当てた。
指より大分細い注入口は何の抵抗もなくなのはの腸内に入り込むと、液体が注入される。
「ぁあ…、入ってくる…。お腹に冷たいのが、入ってくるぅ…ぅあっ。」
手で一本目を全て搾り出すと、次に二本目に取り掛かる。
「あ…、二本目?!も、十分だ、よ…、やめてぇ…。」
少しだけ弱まるなのはの抵抗。
今から抵抗しても、すでに一本は入ってしまっている。
通常は一本でも十分な効き目。
ブチュゥという音と共に二本目の注入が終了した。
次は、三本目。
「ぅあ、も、無理だよ…入らない、よぉ…。ひっ…。」
液体の量からしたら大した量じゃない。
十分飲み込める量だが、精神的な苦痛が大きいのだろう、なのはの額に脂汗が浮かぶ。
「うん、全部飲み込んだね。トイレに行きたくなったら、バインドは解いてあげるね。ちゃんとお願いするんだよ?なのは?」
早く液体がなのはを溶かしてくれるように、下腹部を揉んであげる。
「ぃやぁ、さ、わらない、で…。」
耐えている最中の刺激に、一瞬なのはの窄まりが緩み液体が漏れる。
「なのは、漏らしちゃだめだよ。」
そう言って、バシリ、とお尻を叩く。
今度は漏らさないように、叩かれた瞬間になのはの窄まりがきゅっと締まった。
それがなんだか可愛くて、今度はとろとろになっている秘部に舌を伸ばす。
蜜が溢れる入り口を舌でくすぐると、何度もなのはの窄まりが締まった。
控えめにお腹が鳴る音も聞こえる。
そろそろ薬が効いてきたのだろう。
「あんっ、フェ、イトちゃ…舐めない、で…。んっ、刺激、しないでよぉ…。」
なのはの抗議は無視し舌をなのはの中に侵入させると、入り口付近で軽くピストンしてあげる。
「あっ、あぁっ、だめ、だめだ、よ…。」
切羽詰った腹痛とは別に与えられる快感。
でも、どちらか一方を締めて、どちらか一方を緩めるなんてできないから、必然的に両方を締め付けるなのは。
「ふふ、なのは。もし今出ちゃったら私の顔、なのはのうんち塗れになっちゃうね。どうしよう。そうなったら大変だね…?」
「――っっ!」
そう言われ、なのはの体全体に緊張が走った。
親友の顔に出すなんてこと、とてもできないだろうから必死になって耐える。
私は、空いてる手でなのはの突起を探るとそこはもう、固く尖って摘めるほどの大きさになっていた。
「なのは、ここすごく大きくなってるよ?さっきからここもびしょびしょだし、お尻いじられて、浣腸されて感じてるの?」
なのはからの返事はない。
襲い来る腹痛の波と、湧き上がる快感に必死に耐えているのだろう。
だから、予告もなしに、なのはの中に指を放った。
「ぅあぁぁぁ!はっ…ぁ――。」
今までで一番強い快感に、弾かれたようになのはの体が跳ねる。
息もできないらしく、千切れるほど強く私の指を締め付ける。
でも、指はもう奥まで達していたから押し付けるように、なのはの奥を押す。
「あ…あ…、だめ、それだめ…、もうだめ、なのぉ…。」
がくがくとなのはの体が震え続ける、腹痛のせいか快感のせいかはわからないが、どちらにしろ限界が近いようだった。
「ご、ごめんなさい、フェイト、ちゃ…、も、だめ…。おトイレ行かせ、て…。」
緊迫したなのはの声。
ふと視線を上げると、限界を告げるように窄まりがひくひくと動いている。
「うん。いいよ、なのは。」
私のその返事に、なのはの体から少しだけ力が抜ける。
「――でも、その前に一回イこうか。」
そう言って、なのはの中に埋めた指をリズミカルに出し入れする。
もう、ぐちょぐちょのなのはのそこは出し入れするたびにいやらしい音が聞こえた。
「そ…な…、らめ、らめぇぇ!本とに、漏れ、ひゃぁぁぁっ。フェ、イトちゃ…、ごめんなさいぃ、謝るか…ら、もう許してよぉっ!
うぁぁっ、ご…めんあさ…い、も…あんなこと、しないか、らぁっ…!!」
その言葉を聞いて、指の動きを止める。
なのはからは荒い息。
「なのは。なのはが好きなのは、誰?」
「ぁ…、フェイト、ちゃん、なの…。フェイトちゃん、だけなの…。んぁっ!」
その言葉を聞いて、指を抜きバインドも解いてあげる。
「なのは、大丈夫?立てる?」
よろよろと起き上がり、私の腕に掴まるなのは。
さすがに一人で立って歩くのは難しいようで、なのはの腰に手を廻し、支える。



いつもはすぐに辿り着ける廊下が、とてもとても長く感じた。
きっと、なのははもっと。
「ほら、なのは。」
がちゃり、とバスルームの扉を空け、なのはを迎え入れる。
「や…、フェイトちゃ…、ここおトイレじゃないよ?お風呂場、なの…。」
「そうだね。でも、汚れたなのはの体も洗ってあげたいし、ちょうどいいんだ。」
入り口で戸惑うなのはに、目で示す。
これからなのはがする場所を。
カタリ、洗い場の床に洗面器を置いた。
「ほら、なのは。おいで…。」
なのはは、差し出した手を、おずおずと掴もうとして、そして引っ込めた。
「や…、できないの…、こんな…。うぁっ。」
苦しそうに、お腹を押さえて呻く。
「なのは、もう限界なんでしょ?トイレに行けない以上、ここでするしかないんだよ?大丈夫だから…。」
そう言って、無理やりなのはを引き寄せ、洗面器を跨がせる。
「や…や…、無理なの、みないで、みないでぇっ。」
その間にも、ごろごろとなのはのお腹が鳴り苦しそうな表情になる。
だから、少し手伝ってあげることにした。
なのはの下腹部を、ぐっと押す。

「あ…あっ!でちゃう、でちゃうのっ!あぁああぁぁっぁあ―――っ!!!」

なのはの最後の悲鳴を皮切に、断続的な排泄音。
洗面器にいっぱいのなのはの排泄物。
長い間緊張していたためか、一気に全身が弛緩し金色の液体が床を濡らす。

「ふふ、なのはおしっこも我慢してたの?たくさん出たね?まだ出てるよ…。」
褐色の固形は全てで終わっても、追って出た金色の液体はしばらく続いた。
本当に全部出し終わって緊張が解けたのか、なのはは腰が砕けて床にぺたりと座り込んでしまう。
「うっ…あぁああぁっ、ひぅっ、ごめんなさ…、ごめんなさい…っ!」
排泄を見られたことが余程ショックだったのか、幼子に戻ったかのように肩を震わせしゃくりあげるなのは。
涙をぬぐうこともせず、ただただ泣き続けるなのはをそっと抱きしめた。
「大丈夫だよ、なのは…。」
髪をひと撫でして、涙を拭ってあげると触れ合うだけのキスをした。
熱いなのはの唇は、溶けてしまいそうだった。
「こんな姿、他の誰にも見せられないね…?」

なのはが泣いているというのに、私にはそれがうれしくて。
今だけは、なのはの瞳には私しか映らない。

「なのは、少しだけ待ってて?」
そう言うと、なのははこくりと素直に頷いた。
なのはの出したものが入った洗面器を、トイレに持って行き、流す。
すぐに戻り、ガーターからストッキングを外すとシャツの袖を捲る。
「なのは、きれいにしようね?」
少し温めのシャワーで、なのはの体をなぞっていく。
浴槽の淵に手を掛けて、お尻を突き出すような姿勢を取らせると、汚れを洗い流す。
なのはは、素直にされるがままになっている。
あらかた目に見える汚れは落としたので、今度は中。
片手で、なのはのお尻を開くとシャワーの勢いを少し強める。
「なのは。ちょっと、出すときみたいにここ、広げて?」
「んん…。」
言われたとおり、なのはが力むとほんの少しだけ窄まりが開く。
そこにシャワーをあて、温水を流し込んだ。
「やっ、フェイト、ちゃん…。また、入ってくるの…。お腹ぁ…。」
「なのは、中、洗ってるから、今度は出して?」
さっきの排泄を思い出したのか、ひくり、なのはの体が震えた。
「んぅ…。」
もう一度なのはが力むと、今度はほとんど透明な液体が噴出する。
「なのは。きれいになったよ?――でも、こっちはもうずっと溢れてばかりだね…。」
そう言って、なのはの秘部から蜜を絡めると、そのさらに下にある突起を摘んだ。
「ひぅっ…!」
びくり、なのはの体が大きく震える。
「ここも、ずっと硬くしたまま…。」
左手でなのはの突起を少し強めに揉み解すように刺激すると、なのはの太腿ががくがくと痙攣する。
「もう、イキそうなの…?いいよ、イって…。」
そう言って、きれいになったなのはのお尻の穴に舌を伸ばす。
皺をひとつひとつなぞるようにして解すと、つぷり、侵入させた。
「やぁ、フェイト、ちゃん、だめ…だめっ!イっちゃうのっ!ぁあぁああぁぁあっ――!」
舌を一際強く締め付けると、今度は断続的になる。
なのはが達した証だった。
「なのは、お尻でイっちゃったね。今度は、どうしてほしい?まだ足りないよね。だってどんどん溢れてくるよ…。」
「あっ…ぅ…、熱い、の…。お尻、いじられてるときから、ずっと…。こっちも、して…?」
なのはが自分の手で秘部を割り開くと、とろり、蜜が溢れ落ちた。
「うん…。さっきは中途半端だったからね…。こう?」
人差し指と中指の二本を、ゆっくりとなのはの中に埋める。
「ふぁ、ぁ…っ。」
ぶるっと、なのはの体が震え、きゅっきゅっと何度も締め付ける。
なのはの中は溶けていて、蜜と指を絡めるようにかき混ぜると、なのはは何度も背中を反らした。
一旦、指を引き抜くと、長い糸が引く。
「なのは。力抜いてね?」
そう言うと、秘部の上の窄まりになのはの蜜を塗りつける。
そして、つるり、と滑り込ませた。
今度は障害物がないから、根元まで。
「んぁぁあ!」
いきなりの刺激に、なのはは背中を反らせ、きつく締め付ける。
それを無視して、蜜に濡れた二本目を宛がう。
「ほら、なのは、力抜かないと裂けちゃうかもしれないよ?」
その言葉に、なのはは息を吐きながら徐々に力を抜いていく。
「うん、二本目…。」
すでに埋まっている指に沿って、もう一本指を増やす。
お尻ばかりじゃ可愛そうだから、なのはのリクエストに答えて、残りの薬指と小指を秘部に埋めた。
「あぁーっ!全部、入っちゃってる、の…。フェイトちゃん、いっぱい、入って…る、の…。」
「そうだよ、なのは。たくさん入ってるよ。なのはの中、いっぱいだよ…。」
そう言って、なのはの腰を抱え込むと出し入れを開始する。
なのはの中はきつく締め付けていたからそれほど激しくは出し入れができなかったが、それでも十分すぎるほどの刺激。
「フェイト、ちゃ…ぁう…、気持ち、いいの…、お尻も、アソコも…だめになっちゃうっ、だめになっちゃうのっ…ひぅっ!」
薬指で、なのはの中の気持ちがいい部分を軽くひっかくと、もう限界が近いようでさらに締め付けがきつくなる。
「なのは、もう、だめ?イキそう?」
「んぅ…、イク、イっちゃう…っ。らめ、らめぇぇぇぇ!!!」
なのはの絶頂に合わせて、もう一度、強く突起を潰すと、手に暖かい感触。
出し尽くしたと思っていたなのはの金色の液体。
「なのは、今日二回目のお漏らしだね。」
「あ…あ…、ぅあっ…。」
さっきからまだ達し続けているなのはには、私の声が届いていないようで、体の震えに合わせて金色の液体があちこちに飛んだ。




震えが納まった後、なのはは力尽きたように浴槽にもたれた。
どうやら気を失ってしまったようで、もう一度軽くシャワーで体を流した後ベッドまで運ぶ。
タオルで水気をふき取った後、腕の中に収まるなのはを見つめると、髪を纏めている紐を解く。
そっとベッドに横たえると、優しいキスをひとつ落とした。







<翌朝>


―――ピピピピピピ…。


耳障りな電子音。
いつもタイマーでセットしていたアラームが、朝を告げていた。
まだ頭がはっきりしない中、いつもよりもやたらとだるい体を起こす。
布団から抜け出ると、肩が外気に触れ、ひんやりとした。
そのせいで、自分が裸だということに気づく。
それと共に甦る、昨日の行為。
瞬間、顔に熱が集まり、俯いてしまう。
そっと、いつも隣に寝ている恋人をうかがうと、まだ夢の中のようだった。
昨日の今日でさすがに顔も合わせづらかったので、少しほっとする。
幸せそうな眠りの恋人を起こさないように気をつけながらベッドから抜け出すと、早朝訓練に出かける準備をする。
昨日ベッドの上で脱いだ制服は、きちんとハンガーに掛けられていた。

全ての支度を終え、きっちりと教導官の制服を着込むと規則的な寝息を立てる恋人の寝顔を覗き込む。
金色の光の中で、同じ色の髪がきらきら輝く。
優しい光。
確かに昔から、悩みや苦しみを抱え込む傾向にはあったが、普段はとても穏やかで、人を思いやる気持ちに溢れているのに、なぜ、と思う。

――やっぱり、私のせい、なのかな…。

少しだけ息を吐くと、玄関に向かう。
何も言わず出て行ったら、怒るだろうか、それとも悲しむだろうか。
いずれにしても、きちんと話をしなければ。
私がフェイトちゃんの言うこと聞いたら、私の話も聞く、って約束だし。
そんなことを思いながら、ドアを開ける。
朝のまだ少し寒い風が入り込み、一瞬、恋人が起きるかもしれないと振り返る。
そんな自分に苦笑いしながら、我が家を後にした。

何があっても、その時はその時、なの。

今は、訓練に集中しよう…。






無事に早朝訓練を終え、朝食を摂るために食堂へ。

「なのは、おはよう。」
声のする方へ振り返ると、すでにヴィヴィオと一緒の席についているフェイトちゃんの姿。
いつもと同じ声や表情なのに、妙に意識してしまって顔に熱が集まる。
「ほら、ヴィヴィオ、なのはママにおはようは?」
フェイトちゃんに促されて、ヴィヴィオが満面の笑みを浮かべる。
「なのはママー、おはよう!」
「ヴィヴィオ、おはよう。昨日は良く眠れた?」
席に着き、ヴィヴィオに微笑みかけながら尋ねる。
「うん!ザフィーラふかふかであったかだったの~。」
ザフィーラと一緒に寝たことに若干、腑に落ちない部分はあるものの、まぁ仕方がない。
フェイトちゃんが持ってきてくれたコーヒーを受け取り、一口飲んだ。
「あ、ありがとう、フェイトちゃん…。」
なんとなくぎこちないお礼を言うと、いつもと同じ笑顔で、どういたしまして、と返ってきた。
と、急に入り口の付近が騒がしくなる。
新人たちがシャワーから帰ってきたようだった。
エリオとキャロがフェイトちゃんの姿を見つけると、すぐにこちらに走り寄る。
「フェイトさん!体調はもういいんですか?」
「夕ご飯にも来なくって、すごく心配しました…。」
胸の前でぎゅっと手を握り締めるキャロは本当に心配そうで、なんだか私の方が胸が痛んだ。
「ごめんね。もう、大丈夫だから。一晩寝たら良くなったよ。心配、掛けちゃったね…。」
フェイトちゃんは、エリオとキャロの頭を交互に撫でる。
二人とも本当にうれしそうで、そんな三人を見ていると、昨日のことが嘘だったんじゃないかと思えてくる。


「なのはさん!」
後ろから声を掛けられ振り向くと、ティアナがいた。
「なに?どうしたの、ティアナ?」
「あ、あの、昨日はマッサージ、ありがとうございました!おかげで今日すごく足が軽くて…。」
ほんのり頬を染めてお礼を言うティアナはとても可愛らしかったけど、素直に喜べない。
「そうだね、ティアナは他の三人よりも走ったりが多いから。今度簡単に教えてあげるから、疲れたかなと思ったときにケアしなね?」
「はい!」
ふと、横に影ができたなぁと思い隣を見ると、フェイトちゃんがいた。
思わず、血の気が引く。
昨日からフェイトちゃんが怒っている原因は、恐らくそのことだから。
ティアナの名前も何度も出てきた。
「ふーん、なのはってマッサージなんてできたんだ。知らなかったな。」
一見、普段と変わらないように見えるけど、とても怒っている。
不自然に私の肩に手を廻すと、覗き込まれる。
紅い瞳に見つめられると、昨日のことが思い出され体が熱くなった。
「ティアナ!そう言えば、揉み返しとか、なかった?」
「揉み返し、ですか…。あ、少し、だけ…。でも全然大丈夫ですから!」
「揉み返しって、痣になったりするの?」
急なフェイトちゃんの問い。
きっと、おかしな思い込みをしてるに違いない、と思う。
「あ、少しだけ…。」
「見せてくれるかな?」
「ハ、ハイ…。別にかまいませんけど…。」
ティアナが自分のオーバーニーに手を掛けると、するりとためらいなく降ろした。
「ここですけど…。」
少し体を捻り、ふくらはぎの少し上、膝の裏あたりを指差す。
確かに、そこには私の親指と同じくらいの薄い痣。
「ごめんね、ティアナ。少し強すぎたかな?すぐに消えるとは思うけど…。」
「あっ、いえ、大丈夫です!」
そんなやり取りをティアナとしていると、急に肩に置かれた手の重みが消えた。
不思議に思いフェイトちゃんの方を見ると、顔から血の気が引いているように見えた。
「フェイトちゃん?どうしたの?」
私と目が合うと、急に怯えたような表情になる。
すごく失礼。
「あ…、な、なのは…?」
名前を呼ばれた次の瞬間にこりと笑うと、食堂にフェイトちゃんの叫びにも似た悲鳴が響き渡る。


「ご、ごごごめんなさい、なのはぁあぁぁあぁっ!!!!!」

別に何をしたわけでもないのに、みんなの視線が私に集まる。
「フェイトちゃん、ちょっとお散歩しようか?」
居たたまれなくなり、フェイトちゃんを引きずるようにして外へ出る。
泣き出したヴィヴィオはエリオとキャロにお願いした。






「――つまり、私とティアナがシャワー室で、そういうことをしてると思ったんだね?」


海沿いのベンチに腰掛、フェイトちゃんから話を聞くと、やっと疑問が解けた。
「私、ちゃんとマッサージって言ったんだけどな?それに、マッサージはあの怪我のときのリハビリで少しかじったんだよ?」
「うん…、なのは、ごめんなさい…。」
がっくりと肩を落とし、うなだれるフェイトちゃん。
「――でも、なのははみんなに優しいし、みんなに好かれてるし…。そういうことがあっても、おかしくないんじゃないかって、思っちゃったんだ…。」
自分が信用されていなかった、とかそんなことより、自分とほとんど同じことを考えていたことに驚いた。
「……私も、そう思ったことあるよ?フェイトちゃんきれいだし、優しいし。次元航行部隊みたいに長時間同じメンバーで過ごしてたら…って。」
「そんなこと言ったら、なのはだって!可愛くて、優しい教導官に憧れる下の子たちだって…!」
はたから見たら、お互いを褒めあっているとしか思えない言い合いに、なんだかおかしくなる。
「フェイトちゃん。」
「なのは。」

お互い見つめあい、くすくす笑いあう。

「フェイトちゃん、まだ私たちが出会ったばかりの頃、言ったよね?きちんと気持ちを言葉にする、って。
不安なこと、つらいことがあったら、ぶつけていいんだよ?今は、いつも隣にいるんだから…。」

「そう、だよね…。私、どうかしてたよ、なのは。」

フェイトちゃんが、はにかんで微笑む。

「うん!もう、いつものフェイトちゃん、かな?――で、誤解も解けたことだし、昨日のことなんだけど…。」
「あ、あ…、ごめんね?少しやりすぎました…。」
昨日のことを思い出したのか、少し頬を染めるフェイトちゃん。
「うん、だから少し、頭冷やそうか…?」



フェイトちゃんは、一週間、トイレとお風呂掃除の当番に決定なの。


フェイトちゃんとのお散歩が終わって六課に戻ると、はやてちゃんからは、朝から夫婦喧嘩もたいがいにしーや、と冷やかされたり、
怯える新人たちの誤解を解くのでとても大変でした…。




fin













ヒィハァ、やっと終わりましたね。
エロシーンがボリュームあって、一日エロばかり書いていたので本体の方が枯れそうですw

長いですね。
それにしても。
書き出して、長くなりそうだとは思ったんですけどこれほどとは。

で、すみません。

リリカルなのにスカトロ。
ははは。
ごめんなさい、ほんと…。
しかも、相変わらず私の書くフェイトさんは脳みそが足りないようで…。


でも、最後は明るい感じにしたかったのでまぁよかったかなーと。

皆さんのご期待通りになったかはわかりませんが、楽しんでいただけたらとてもうれしいです。

頭、冷やされてきます…。